Mozillaは、開発中のモバイルブラウザ「Fennec」を「Symbian」プラットフォームに対応させるための取り組みを開始した。
Mozillaは4月にスマートフォン市場への参入計画を発表し、10月にはFennecの第1アルファ版をリリースした。ただし動作する端末は、NokiaのLinuxベースのインターネットタブレット端末「N810」のみだった。
Mozillaは当初、Fennecの対応プラットフォームをLinuxと「Windows Mobile」に絞って開発を進めていたが、スマートフォン市場におけるSymbianの優勢を見てとり、対応プラットフォームをSymbianにも拡大することを決めたと、Mozillaのモバイル技術担当ディレクター、Christian Sejersen氏は語っている。
Sejersen氏は12月10日付の自身のブログ記事でも「Mozillaがスマートフォン市場で意味ある存在になるために、われわれはSymbianプラットフォーム上で存在感を示していかなければならない」と述べている。
Sejersen氏によると、Symbian側も技術的なリソースを提供し、Fennecの移植を支援しているという。同氏のブログ記事には「われわれはSymbianの協力を得て、プロジェクトの規模を把握し、精査するべく取り組んだ。Symbianは今のところ、このプロジェクトの開始に必要なエンジニアを提供するという形で支援してくれている」とある。さらにサードパーティーのSymbian向けソフトウェア開発メーカーも、このプロジェクトへの協力に関心を示しているとのことだ。
Sejersen氏は、2008年第3四半期にNokiaのSymbian OS搭載端末がスマートフォン市場の売り上げの半分近く(49.8%)を占めたという最近のGartnerの調査結果を引き合いに出している。これに対してWindows Mobileのシェアは11.1%、Linuxは7.2%だったという。
また、同じ第3四半期には、Apple、Research In Motion(RIM)、および(GoogleのモバイルOS「Android」を搭載した)HTCのスマートフォンも市場でかなりのシェアを占めていた。しかしSejersen氏によると、Mozillaは、FennecをAppleの「iPhone」、RIMの「BlackBerry」、あるいはAndroidベースの端末に対応させる予定はないという。
「市場でシェアを獲得している、あるいは獲得しつつあるプラットフォームはほかにもいくつかある。iPhone、RIM、Androidなどだ。しかし、技術的、あるいはライセンス上の問題があって、われわれはこれに対応できない」とSejersen氏は語っている。
Sejersen氏によると、すでに最初のコードはMozillaのリポジトリに格納済みで、プロジェクトに協力してくれる開発者も集めたという。
第1段階として、Mozillaは2009年4月末までに完全なブラウジング機能をコードに組み込み、その後2009年中に最初のテスト版をリリースする計画だとSejersen氏は述べている。
Fennecは、Appleのモバイル用「Safari」やGoogleの軽量版「Chrome」、さらには「Opera Mobile」および「Skyfire」など、既存のモバイルブラウザと競合することになりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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