キャリアコンサルタント尾方僚が、あなたと直接お会いして応募フォームを徹底的に指導・添削します。書類選考は転職活動において最初の関門。あなたのキャリアをプロがヒアリングし、応募フォームに書き表せていない部分をどんどん引き出します。人事に「会ってみたい!」と思わせる応募フォームを一緒に作成しましょう!
キャリアのステップアップの経緯が伝わるように具体的内容を記入する

尾方さん 小川さんは応募フォームに加えて別紙(※編集部注 小川さんは、今まで経験したプロジェクトがすべて記載されているシートを用意。項目は29にもおよぶ)もご用意いただいたのですが、実際の書類選考では、まずは応募フォーム上でアピールしないと、別紙までみてくれる段階にはなかなか至りません。これらを分解してみて最初の書類作りということをやってみたいと思います。
小川さん はい、わかりました。
尾方さん 応募フォーム自体には書かれている内容が少ないですね。補足説明をしていただけますか? 大学を卒業されてから一番初めに入社された会社はシステム会社だったんですよね。
小川さん そうです。1社目は独立系のシステム会社で、最初に手掛けたのは、某スポーツ量販店のPOSシステムです。
尾方さん 1社目の在籍期間は? 応募フォームの記載事項ではわかりにくいですね。
小川さん 1社目は5年間いました。
尾方さん その5年間でご自分の仕事のレベルも上がっていますか?
小川さん そうですね。最初の仕事はプログラミングのみ。次からはプロジェクトリーダーのすぐ下についてサブリーダー的な仕事、その後自分がプロジェクトリーダーになってシステムの仕様書まで書くようになりました。
尾方さん それならば、そのステップアップをわかりやすく記載するように工夫したほうがよいでしょう。これではよくわかりませんね。
小川さん 確かにそうですね。
尾方さん その後はどうなさったのでしょうか?
小川さん 体調を崩したこともあり、その会社を辞めて、派遣、契約社員の形態で働き出しました。いろいろな業種のプロジェクトに参加して、リーダーだった場合や、アシスタントレベルだった場合など、さまざまです。
尾方さん 従事したプロジェクトのなかには、販売管理のシステム開発だけではなく、他の分野も手掛けていますよね。
小川さん そうですね。生産管理や、顧客管理、金融のシステムなどもやりました。
尾方さん そうですか。では、それらを主なプロジェクトごとに分けて記入されたほうが、読み手はわかりやすいと思います。また、使用言語、使用ソフトウェアなども記入するともっとわかりやすいですね。
小川さん わかりました。直してみます。

- 技術職の場合、職務内容欄にはプロジェクト内容・規模(○人/月)・担当ポジションを明記する
- 使用言語、使用ソフトウェアはプロジェクトごとに記入する
- 業務のなかで担当分野のステップアップを果たした場合は、レベルアップの軌跡が見えるよう記載する
アピールしたい経歴は、強調して記載する

尾方さん 小川さんはPOSから始まり、生産管理や会計系などのシステムの開発に携わられていますが、自分が開発を手掛けたなかで、一番アピールできる経歴とは?
小川さん ポジション的にリーダーの時は、仕様書を書くところからはじまり、導入、テストまで手掛けました。その中でも印象深いのは、最初の会社でリーダーをやった、あるメーカーの顧客管理システムと、契約の形でプロジェクトリーダーをやった大手通信会社の故障管理システムです。
尾方さん 小川さんは時代の流れに沿った形でシステム開発に携わっているという印象が見受けられますよね。最初はPOS、それから生産管理や会計系など、一世を風靡したERP系、次に携帯電話などのシステムなどです。最先端の技術に携わってきたことは、大きなアピールポイントです。できればそれらがよくわかるように書類も書き直したほうがよいでしょうね。
小川さん 最初はコンシューマー向けのシステムが多かったのですが、派遣になってからは大手メーカーのシステムなどを手掛けるようになり、視野が広がったことも自分のアピール要素だと思っています。
尾方さん そうですね。それもウリになる点だと思います。それらもわかるように記載すべきですね。では、リーダーとして、プロジェクトで部下を育てるのに苦労した点はどのような点でしょう?
小川さん とにかく限られた時間のなかで結果をあげなければならない仕事でしたので、1人ひとりの良さを伸ばすようにしなければなりません。
尾方さん 部下をマネージメントする上で、心掛けていた点は?
小川さん ビジネスマナーがあるか、日中手が止まっていないか、日常業務から部下の仕事ぶりは見るようにしていました。また、質問は常に聞くようにし、その質問から不明点が明確でない場合は、キャパシティを超えていないかを判断し業務分担の見直しもしていました。また、質問をしてこない人に対しては進捗状況に問題がないか、こちらからも聞くようにし、チーム内のコミュニケーションを潤滑にしていくよう心掛けていました。
小川さん また、チーム内の統率を図る上でも、私自身が率先して仕事をする必要がありましたから、多いときには残業300時間ということもありました。
尾方さん 300時間はすごいですね。
小川さん それで体調を崩したということもあるので、今は健康管理には気をつけています(笑)。実は部下の健康管理も大事な仕事でした。誰かが倒れたときでもサポートできる体制にしておくなど。
尾方さん 壮絶なお仕事ですね。確かにリスクヘッジをするというのもリーダーとしての大事な要素ですね。いままでお話いただいたことは具体的事例として、問題解決能力をアピールできますね。

- ニーズの高いスキルを経験した職務は職務内容欄に具体的な案件内容を記載しアピールする
- リーダーを経験した際はその役割とマネージメント能力を具体的事例・工夫した点を記載しウリにする
- 上流行程経験は評価されるポイントになる。要件定義上、自分だからこそできた点を洗い出そう
キャリアにストーリー性を持たせる

尾方さん 派遣、契約社員の形態から、正社員としてこれからまた組織に戻りたいということですが、それはなぜですか。
小川さん 長期的な視点で仕事をしたいという思いが強くなったからです。直面している課題に追われるだけでなく、できればお客様のニーズに応え、改善点を見出し提案していけるようなシステム開発の仕事に携わりたいと思うようになったからです。
尾方さん 具体的には?
小川さん 最初がPOSからはじまっていますから、できるだけお客様の反応が見えるシステムの開発がやりたいと思っています。
尾方さん なるほど。大型開発をやった後、再びコンシューマーに戻るというのはよいことかもしれません。これからは年齢的にもマネジメント能力も要求されますね。
小川さん そうですね。経験した開発言語に偏りがありますから、新たな経験も積んでいきたいと思っていますが、今後のことを考えると現場の技術者としてのみでなく、自信がある上流行程やマネージメントの部分の比重を、組織の中でより高めていきたいと考えていますし。
尾方さん なるほど、では組織から個人そしてまた組織に戻るというキャリアの流れの中で、なぜ組織なのかという点が重要なポイントになってくると思います。
小川さん そうですね。
尾方さん そのためには、マネジャーとしてもすぐれているということをアピールしなければなりません。小川さんが慣れ親しんでいる仕様書をイメージしてみてはいかがでしょう。仕様書を作るときは、相手のニーズに沿って、いかにそれをシステムに落とし込んでいくかという点を考え、ストーリーをわかりやすく書く工夫をすると思います。それと同じように、キャリアの訴求ポイントを書かれてみることが必要だと思いますよ。
小川さん あー、仕様書ですね。そうなると足りない点が多いですね。
尾方さん 業務に明るくない人に説明するつもりで、できるだけわかりやすくまとめてみられたらどうでしょうか。小川さんの場合は組織で得たこと、個人で得たことがわかった上で、だからこそ次は組織で働く、というキャリアの流れですね。
小川さん なるほどよくわかりました。仕様書を書く要領でやってみます。

- 組織→個人を経て組織という雇用形態を希望する場合は、なぜ組織なのかという理由と組織内で自分が発揮できる能力をアピールする
- やりたいことが明確にある場合は、そのやりたいことがどのように導かれたのかの経緯が見えるように記載する
- 応募フォームは仕様書を書くような意図で、職務内容・自己PRはストーリー性を持たせて訴求させる