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SNSの中に「素になれる場所」があっていい--匿名で利用できるmixiアプリ「リグレト」

岩本有平(編集部) 2009/12/07 11:30

 ディヴィデュアルが提供するコミュニティサービス「リグレト」。これは、後悔したことやショックを受けた出来事などを「ヘコみ」として匿名で投稿できるというサービスだ。

 投稿したヘコみは「ヘコミン」と呼ぶアバターの発言という形でサイト上に表示される。これに対してほかのユーザーは、コメントをつけて投稿者をなぐさめ、さらに投稿者はコメントをつけたユーザーにお礼を返してそのヘコみを成仏させることができる。

 サービスはPCとモバイルで提供しており、いずれも共通のIDで利用できる。モバイル版ではPC版の機能に加えて、ログインやヘコみ、なぐさめの投稿などサイト内での行動に応じて付与されるポイントや、スポンサーサイトに登録して得られる仮想通貨を用意。これらを使ってヘコミンにメガネやヒゲといったアバター用アイテムを購入できるほか、Flashのミニゲームを楽しめる「リグレトゲームパーク」、学校や仕事での出来事、恋愛の相談など、特定の話題を投稿する「カフェ」といった機能を提供している。

モバイル版の「リグレト」 モバイル版の「リグレト」

 そんなディヴィデュアルは11月7日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」のソーシャルアプリケーションプラットフォーム「mixiアプリ」に「リグレト(モバイルのみアクセス可能)」を公開した。

 ソーシャルアプリケーションといえば、ユーザー間の相関図である「ソーシャルグラフ」を利用するのが一般的。そんな中、あえてソーシャルグラフを利用しない匿名サービスを提供したのはどんな理由があるのだろうか。

 「リグレトを1年運営してきた中で、ネットで『感情を扱えるサービス』の必要性を感じてきた」――ディヴィデュアル代表取締役の遠藤拓己氏はこう語る。

 リグレトのサービスが始まったのは2008年9月。遠藤氏はこれまでの運営を通して、「『お互いが誰なのか』を知らない関係でないと言えないコミュニケーションがあることがわかった」と語る。一般的なSNSでは実名こそ出さなくとも、友人との関係はできあがっているため、言いづらい話も少なくない。ささいな愚痴や知人には言えない秘密などを話せる、匿名のコミュニケーションの場が必要だと感じたのだという。

 そんな思いを持っていた中でmixiアプリが公開され、「SNSの中にも匿名というか、素になれる場所があってもいい。今や単なるサービスを超えてプラットフォームとなったmixiだが、mixi上で『マイミクというソーシャルグラフからは見えないサービス』という方向性もあっていいのでは」と考え、mixiアプリ版の開発に至った。

 mixiアプリ版のリグレトでは、通常のモバイル版とほぼ同等の機能を提供する。投稿するヘコみについては通常版と共有しており、mixi版、通常版いずれのユーザーも同じヘコみを閲覧できる。

 mixiアプリ版のユーザー数は現在7万弱。人気アプリから比べるとまだまだ少ない数字だが、ヘコみの投稿数はこれまでの10倍以上、ページビューでは20倍になったという。「匿名で話せることから、mixi上の友人に対する悩みなども投稿されている。mixiでのコミュニケーションが会社で言えば会議室なのに対してリグレトは休憩スペースやタバコ部屋。『どこの誰』という服を脱いで話せる場になれば」(遠藤氏)

 また、ディヴィデュアル ビジネスデベロップメント ディレクターの佐藤裕介氏は「一般的なmixiアプリは、ほかのmixiアプリと比較される。しかしリグレトは、mixiというプラットフォームそのものと比較されるコミュニティ。ユーザー数でゲームほどの初速はないが、じっくりマスプロダクトに育てたい」と期待を寄せる。その一方で急激なトラフィックの増加もあり、「インフラ回りのエンジニアは随時募集しているところ」だという。

 同社では今後、mixiアプリの課金APIに対応するほか、アバターアイテムの拡充やアバターの育成機能なども実装することで、課金での収益化を狙う。また、ディー・エヌ・エーが運営するモバイル向けSNS「モバゲータウン」など、多プラットフォームでの展開についても検討中だという。そのほか、リグレトの仕組みを使った企業のセールスプロモーションについても「趣旨に賛同できるものであれば協力したい」(佐藤氏)という。

 遠藤氏はリグレトの将来的について「ヘコみだけでなく、ネット上でさまざまな感情を扱えるサービスに育てたい」と語る。そして収益化のめどが立てば、海外への展開も進めるという。「たとえば教会の懺悔室が匿名であるように、匿名でのコミュニケーションに対する考え方は国ごとにさまざま。そんな中でリグレトがどう育つのか見てみたい」(遠藤氏)

説明 ディヴィデュアル ビジネスデベロップメント ディレクターの佐藤裕介氏(左)と代表取締役の遠藤拓己氏(右)

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