“日の丸”広告配信支援サービス、出航--ブログウォッチャーなど

島田昇(編集部)2008年03月11日 23時32分

 純国産の広告配信支援などを目的としたプロジェクトの一部が公開された。

 ブログウォッチャーおよび東京工業大学、KDDI研究所は3月11日、新たな行動ターゲティング型情報配信プラットフォームの実証実験を開始した。産学連携で新情報サービスを生み出すことを目的とした経済産業省による「情報大航海プロジェクト」の採択事業の1つとなる。

画像の説明 ブログウォッチャー代表取締役社長の羽野仁彦氏

 実証実験を開始した「プロファイルパスポート 」は、ネット利用者の嗜好性に合わせた情報発信の実現を目的としたサービス。ブログなど消費者発信情報にさまざまな切り口による行動履歴を関連付け、蓄積データを一元管理。このデータベースを活用することで、最適なマーケティング活動やコンテンツ配信、レコメンド(推奨)サービスといった情報発信に利用されることを目的としている。

 ブログの本文解析には東工大准教授の奥村学氏が手がけるブログにおける言葉遣いの進化に対応できる日本語解析技術、そのほかにも位置情報などの関連技術を活用。これら技術を用いることで、「SNS」「ゲーム」「携帯関連情報」――の大きく3つの情報源から人の嗜好性に通じる情報を収集し、蓄積される仕組みとなっている。

画像の説明 「Game0.1a wyrd」のプレイ画面

 情報収集には、利用者の嗜好性が自然の流れの中で登録されることに配慮した。次世代ゲーム機「Wii」上のブラウザで動作するアドベンチャーゲーム「Game0.1a wyrd」を活用したエンターテインメント性の保持はその大きな柱の1つ。そのほかにも、飲食店などに設置した端末に携帯電話をかざすと簡単に当該店舗のレビューが書ける機能などを実装したSNS「Sooti Town 」などを用意した。携帯電話から取得する情報については、KDDI研究所による「ケータイdeライフログ 」を採用した。

 これら情報収集は原則、PC、携帯電話、Wii、PDAの複数端末で行える。今後、さらに情報収集する端末を拡充する方針。

画像の説明 「Sooti Town」のイメージ

 今回の実証実験における目的は、「利用者の情報入力における許容性」「情報配信の精度」「事業化に向けての市場性」――の3つの視点で本プロジェクトの実現性を確認する点にある。

 まず、利用者の許容性については今回、数百人程度の限定サービスとして展開するが、そのうちの半数以上が1人あたり20件以上のデータを入力することを目標にしている。情報配信精度については、これまでの購買履歴などだけでは嗜好性が反映されにくいと言われている「飲食店」「映画」「音楽」「不動産」などの情報配信で、5件の情報配信中3件は的確な情報提供ができれば商用化に耐えられるものになると見ている。最後に市場性は「占い情報サイト」「ブラウザメーカー」「SNS」などの有力企業との業務提携が実現できるか否かが判断基準になるとしている。

 4月からレコメンドエンジンの無償提供を開始する計画で、この利用者からの反応も本プロジェクトの成否を判断する一基準となりそうだ。

 2009年4月までの実証実験を経て、将来性が見込めれば、実証実験終了後にベータ版サービスを公開し、2010年4月には利用者200万人、2012年に25億円規模の事業に育てる。

 ブログウォッチャーはリクルート、電通、東京工業大学が共同で2007年4月設立したリクルート子会社となる。

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