ハリウッドに学ぶ--ITリーダーのプレゼンテーションを向上させる秘訣

文:Marc Schiller(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年05月31日 08時30分

 あなたのプレゼンテーションはどれほどの出来だろうか?どうか正直に答えてほしい。どれほど悪い出来なのだろうか?効果的なプレゼンテーションを行うための「黄金律」すべてに反している?プレゼンテーション時間を超過しているにもかかわらず、30枚にも満たないスライドの要旨を伝えられそうにない?PowerPoint付属のありふれたクリップアートを使っているって?

 こういった質問にイエスと答えざるを得ないのはあなた1人だけではない。事実、筆者の経験から言うと、あなたの仲間は数多くいる。ITリーダーの圧倒的多数がひどい、本当にひどいプレゼンテーションを行っており、素晴らしい情報をたくさん持っているにもかかわらず、これ以上はないというひどいやり方でそれを伝えようとしている。さらに言えば、こういったひどいプレゼンテーションはIT技術者の専売特許というわけでもない。これはビジネス分野全体に蔓延している問題である。

 とりあえず、こういった状況になっている理由はさておき、プレゼンテーションを今すぐ、劇的に向上させるためにできることを述べていきたい。

要はプレゼンテーションではなく、ストーリーだ

 プレゼンテーションの達人になるための第一歩として重要なのは、聴衆の前に立った瞬間、もう企業のマネージャーではなくなるという認識を持つことである。プレゼンテーションを行う際には、たとえそれがちょっとしたミーティングの場で行うものであったとしても、プレゼンターとして「ステージ上に立っている」と思うべきである。つまり、あなたが好むと好まざるとにかかわらず、エンターテイナーや語り部としての役割を与えられたことになるわけである。

 プレゼンテーションの内容自体は、Eコマースプロジェクトであろうと、IT業界の再編であろうと、人事情報システムの新たなイニシアチブであろうと、そんなことは一切関係がない。人々はストーリーを聴きたがっているのである。彼らは一連の事実やデータに目を通したり、そういったものを耳にタコができるほど聞かされたいとは思っていない。退屈だからだ。ストーリーによって情報を伝えるというアプローチは当たり前のようであるものの、実際にそういったアプローチを採っている人は非常に少ない。ここで重要なポイントは次の通りである:ストーリーを伝えたいのであれば、事実を提示するだけに終わるプレゼンテーションではなく、ストーリーを紡ぎ出すプレゼンテーションを行う必要があるということだ。

ストーリーは何か?

 筆者は長年に渡ってIT関連のプレゼンテーションを数多く行ってきており、そのテーマは極めて難解な技術上の展望から、アウトソーシング契約の提案に至るまで、さまざまである。しかし、こういったプレゼンテーションを作り出す際において最初に問うべき質問は、ストーリーはどうするのか?というものである。というのも、どのような場合でも必ずストーリーというものがあるはずだからだ。しかし、ストーリーのプロットを見つけ出すことが困難な場合もある。そういった時こそ、ハリウッドの出番がやってくるというわけだ。

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