映画「アバター」制作の舞台裏--リアルな視覚効果を生み出した2大スタジオの共同作業

文:Daniel Terdiman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年01月06日 07時30分

 サンフランシスコ発--今から約1年前、James Cameron氏のSF大作「アバター」の制作がかなり進んだ頃、同プロジェクトのComputer Generated Imagery(CGI)の大半を手がけていた視覚効果スタジオWeta Digital(編集部注:映画「ロード・オブ・ザ・リング」の視覚効果などで知られる)はやや手が回らなくなっているということが明白になった。

 米国では2009年12月18日に公開された「アバター」は、その時点では完成作品よりも約40分長かった。そして、同プロジェクトを完成させるには、別の企業が加わって手を貸すことが必要だった。それも、Wetaが行っていたのと同等の極めて高水準の作業ができる企業だ。

 そこでIndustrial Light & Magic(ILM)が加わった、と同スタジオのJohn Knoll氏は述懐する。Knoll氏はオスカーの受賞歴もある視覚効果監督であり、その役割は「アバター」のCGI作成という、ほかのほとんどの映画よりも重要な仕事に飛び込んで、その完了に力を貸すことだった。

 その後、ILMとWeta、そしてCameron氏の制作会社であるLightstorm Entertainmentは、何カ月にもわたる調整を行った。サンフランシスコとニュージーランドにある2つの視覚効果チームの間で不要な作業の重複が発生するのを避けることが第一の目的だった。時には両方のチームが同じシーン向けの効果に取り組むことすらあったからだ。

 ILMにとって、別の視覚効果スタジオの援軍として呼ばれるのは、このときが初めてではなかった。しかし、Wetaのような大規模で実績のあるスタジオに手を貸すのは、おそらく初めてだっただろう。確かに、完成作品に対するILMの全体的な貢献度はWetaに比べると小さなものだが、Knoll氏は、この映画を最終的な段階に仕上げる上でILMの助力は極めて重要だったことを示唆した。

「アバター」制作行程が終盤にさしかかったところで、ILMは、一部映像の仕上げを支援するために援軍として呼ばれた。 「アバター」制作行程が終盤にさしかかったところで、ILMは、一部映像の仕上げを支援するために援軍として呼ばれた。
提供:Industrial Light & Magic

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]