回復の兆しを見せ始めたPC市場--最も恩恵を受けるのはデルか

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年07月21日 07時30分

 もしかすると、Dellの不遇の時代はようやく終わりを迎えるかもしれない。

 すべての兆しが、PC市場の回復が2009年中に形をとりはじめ2010年には本格的に進行することを示している。Dellは景気後退によって最も大きな打撃を受けたPCメーカーといえるが、情勢が落ち着き始めたときには、最大の恩恵を受ける立場にあるともいえる。

 なぜDellなのだろうか。PC業界が回復へと180度転じる鍵となるのは、大企業顧客が従業員用のコンピュータの購入を再開することだ。多くの大企業が、予算の縮小により、またMicrosoftが新しいOSをリリースするまで待つという判断により、PCの新規購入を事実上凍結していた。

 しかし先週になって、業界の回復が間近に迫っていることを示す3つの明るい兆候が見られた。Dellは米国時間7月13日、同社の製品(PC、サービス、サーバ)に対する需要が「安定しつつある」と、わざわざプレスリリースで発表した。これは、個人や企業の購買が増えていることを意味しており、それによりDellが8月に発表する同社の第2四半期の売り上げは若干増える見込みだという。

 これに続き7月14日にIntelが、同社の第2四半期の業績の中で楽天的な見通しを示した。市場に対するIntelの見方はテクノロジ業界にとって重要な指標であり、同社が発表した第1四半期に対する第2四半期の成長率は、過去約20年で最高だった。Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は、「下半期は季節要因により、一層力強い成長が確かに期待できる」と宣言した。

 IDCのPC市場アナリストが15日に発表した調査結果は、全世界のPC出荷台数が予測を上回る成長を見せていることを示しており、この発表により一連のニュースがすべて結び付けられる形となった。2期連続でPC出荷台数は減少したが、予測は上回った。IDCによると、第2四半期の出荷台数の減少は3.1%にとどまったという。回復は目前に迫っているようだ。

PC市場シェア
大手PCメーカーの実績
PCメーカー出荷台数
(単位:1000台)
市場シェア(%)
HP1309519.8
Dell910813.7
Acer843112.7
Lenovo57578.7
東芝34945.3
その他2640739.8
出典:IDC「Worldwide Quarterly PC Tracker」

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