文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、大久保崇子、國分真人
2007/10/18 16:00
これとは対照的に、REAL DではZ-Screenと呼ばれる電子フィルタを使用してプロジェクタからの光を2方向に円偏光させ、1フレーム当たり6回切り替えることによってちらつきを防いでいる。光の電磁特性を変調する円偏光方式では、光が観客に向かって反射されるときに偏光を維持できるよう、特殊なシルバースクリーンを使用する必要がある。
韓国のMasterimageもまた、回転式ホイールをプロジェクタの前に置く円偏光方式で市場に参入しようとしている。
どの技術にも利点と欠点がある。Dolby 3Dで使用する3Dグラスは、製造の困難さゆえに高額(現行価格50ドル)である。Dolbyでは今後価格が低下することを期待しているものの、使用後に回収して自動洗浄機で洗浄する必要がある。一方、REAL Dの使い捨て3Dグラスはわずか5セントと安価であり、映画のプロモーション用グラフィックを使って商品化することも可能だ。
映画館のスクリーンに関しては、Dolby 3Dに分がある。REAL Dを導入するには、映画館側が特殊なシルバースクリーンを取り付ける必要があり、JPMorganによるとこのスクリーンの単価は5500ドルということである。シルバースクリーンは反射率が高く、2D映画にも効果的だが、映像の中心が明るいスポット状に見える「ホットスポット」現象を生じさせる傾向がある。一方、Dolby 3Dでは従来のホワイトスクリーンを使用するため、映画館は通常のサイクルに合わせて3D映画を小さなスクリーンに移動させることができる。
スクリーンの最大サイズという点ではREAL Dが優勢だ。どちらの技術でも光量が従来の2D映画の6分の1未満に抑えられていることを考えると、このことは非常に重要である。Dolbyのエグゼクティブによると、Dolby 3Dは38フィート(約11.6m)スクリーンでの映画上映には使われているものの、最大スクリーンサイズに関するDolbyの姿勢は慎重だ。一方のREAL Dは、47フィート(約14.3m)スクリーンで既にお目見えしており、REAL Dの社長兼共同設立者であるJoshua Greer氏は2008年の早い時期に60フィート(約18.3m)を超えるであろうと見込んでいる。
もう1つの重要な要素は、右目用の映像と左目用の映像をいかに効果的に分離して一方からの光が他方にもれ込まないようにできるかだ。REAL Dの「ゴーストバスティング」技術はこの問題を電子的に解決するものであり、デジタル処理ステップからリアルタイムアドオンへの移行が現在進められている。一方Dolbyは、自社の技術がゴーストバスティングを一切必要としないことを自負している。
絶えず変化を続けているという点ではREAL DもDolbyも同じだ。前出のParry氏は次のように述べている。「どちらの技術もまだ初期の段階にある。今後2、3年で大きな変化を遂げるだろう」
映画業界で算出されるさまざまな数字が示すように、そもそも制作費が10〜20%高めにつく3D映画を製作すること自体が容易なことではない。それにもかかわらず、この業界でも技術革新は急速なペースで進んでいる。
3D映画製作には、依然として技術的な難題がある。実写版の映画では、2台のカメラを緊密に連携させる必要があり、カメラの移動やレンズのズームに伴ってさまざまなリスクが生じる。CGアニメーションの場合は既に3Dでデザインされていることが多く、第2の視点を追加するためのコンピュータ処理しか必要とならないため比較的制作しやすい。
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