Paul Festa and Ina Fried (CNET News.com)
2004/10/18 10:00
Microsoftは、企業向けコンピューティングと消費者向けコンピューティングのどちらにおいても、ブラウザの影響力を弱めるウェブのベース技術--なかでもWindowsベースのシステムに有利な技術の開発に、人的および経済的な資源を注いでいる。
たとえば、MicrosoftはLonghornで、現在ブラウザで行なっていることをより良い方法で行なえる全く新しいWindowsアプリケーションを作り出したいと考えている。Microsoftは2003年10月に行われた開発者会議でLonghornを発表した際、そのようなプログラムがどう機能するかを見せるためのデモをAmazon.comに行わせた。MicrosoftがAmazonに提供したカメラショップのプロトタイプでは、Amazonのデータベースが利用可能だったが、これまでのAmazonの店舗に比べてはるかに双方向性に優れ、見た目にも使いやすいデザインになっていた。
各企業は、Microsoftの新グラフィックエンジン「Avalon」やXAML(Extensible Application Markup Language)を使用することにより、インターネット上で容易にデータのやりとりが行えるWindowsアプリケーションを開発できる。それらのアプリは単独で動作したり、あるいはブラウザの中で実行させることも可能だが、ただしWindowsを搭載したコンピュータ上で動かすことが条件となる。
「2001年にAvalonの開発に着手した際、我々はアプリがブラウザの中で実行されるか、外で実行されるかの区別をなくしたかった」とMicrosoftのWallentは語る。
同氏によると、Microsoftは大半のウェブサイトが一気にブラウザなしでも閲覧可能になるとは考えていないという。ニュース、株価、ショッピングなど、ウェブ上で最も利用度の高い情報は、Longhornにおいてもブラウザを通して利用されることになりそうだ。
Wallentは、Microsoftは、すでにデスクトップソフトを開発した企業がいっそう簡単にインターネットに接続できるようにしようとしているという。さらに同社は、Ofotoなどのフォトサイトがすでに行なっているように、顧客のコンピュータ上でいくつかの追加ソフトを実行させたいと考えているウェブ企業も支援する。
ColtonがCEOを務めるXamlonも、基本的にMicrosoftと同じ構想を描いている。XamlonはLonghornの発売に先駆け、自社版のXAMLを発売しようとしている。Xamlon版XAMLで開発されたアプリケーションはブラウザ内でも実行可能だが、対応OSはWindowsのみで、対応ブラウザも現時点ではIEに限られている。
Coltonによると、このようなアプローチがMicrosoftに好都合なのは事実だが、同時に消費者や企業にも利益をもたらすという。「ユーザーエクスペリエンスは向上している。それは事実だ」(Colton)
Microsoftもそのようなアプローチを擁護している。
Wallentは「我々はインターネットを私物化しようとしているわけではない」と述べた上で、Microsoftにはこれまでの方針を転換し、全てのウェブ資産を集めて、Avalonに結集させるつもりはないと語った。
無論、標準に準拠したブラウザを搭載したOSはどれも似たり寄ったりであるため、ごく少数のインターネット企業がWindows専用ツールを提供するだけで、Windowsには十分な援護射撃となる。
ブラウザの脅威
一方で、今日OSが処理しているタスクをブラウザが行うケースが増えている。これは長年、ブラウザがもたらす脅威と考えられていたものだが、Googleが事業範囲を従来の検索や電子メールからブラウザやインスタントメッセージ(IM)にまで拡大し、基本的にWindows搭載PCとWindows以外のOSを搭載したPCのどちらでも利用可能なプラットフォームを提供する可能性があるとの噂が流れたため、その脅威に対する懸念に再び火がついた。
「Googleなど(Microsoft以外)の企業が、ブラウザ上で動作するだけでなく全てのプラットフォーム上で利用可能な豊富なアプリを提供できるのであれば、それは考慮に値することだ」とColtonは述べ、さらに「そうした事態になれば、Microsoftは(最初のブラウザ戦争の)出発点に引き戻されることになる」と語った。
Wallentは、将来OfficeやAutoCADのようなプログラムが、種類を問わず全てのコンピュータ上で簡単に動作するよう設計される日が来るとは懸念していないという。「そのビジョンを完全に信じることはできない」(Wallent)
しかし、MicrosoftがIEにどれほどの労力を注ぐつもりなのかは依然として不明だ。
MicrosoftがAvalonやXAMLを重視していることを考えると、Longhornが同社の期待通りの性能を発揮すれば、IEの重要性は失われることになる。そういうIEのために研究開発の投資を行う価値があるか否かは疑問だ、とO'Gradyは指摘する。
O'Gradyはさらに、これまでMicrosoftがブラウザを軽視してきた程度についても疑問を投げかけた。
O'Gradyは「私は未だに全く理解できない」と述べ、さらに次のように続けた。「Microsoftが(IEに)タブブラウジングのような新機能を少しでも追加していれば、現在同社が受けている批判の多くは自動的に根拠を失っていただろう。技術的な問題については分からないが、Microsoftほどの巨大企業になぜそれができないのかが理解できない。あえて結論づけるとすれば、Microsoftにとってブラウザはかつてほど重要なプラットフォームではなくなったということだろう」
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