やがてそんな野津氏に信頼を寄せ始めたクリエータたちの声に耳を傾けると、適材適所とは言えない人員配置である状況が分かってきた。これを受け人員配置を再編して仕事のやり方に変化をもたらすと、クリエータ部隊は輝きを取り戻していった。
野津氏の中にも、ソニーの盛田昭夫氏や松下電器産業の松下幸之助氏など起業家の伝記を読み漁り、「自分もモノ作りに従事したい」と誓ったこと、『シムシティ』を初めて見たときに「ゲームという切り口でモノ作りをしたい」との思いがより鮮明に浮き上がってきた。
その後1999年、ゲーム開発ベンチャーの仲間たち7人を連れて独立。これまでの経験を十二分に生かして強固な社内体制を構築する一方、ネットブームの波に乗り、ウェブシステム開発事業参入による財務体質の強化とネット事業におけるノウハウを蓄積していった。
マーケティング、経営、システム開発――。多角的な視点からゲームという切り口でモノ作りを追求して辿り着いたアドバゲーム。今後、効果の高い広告商品としてアドバゲームが認知され、さまざまな企業での採用が検討されるようになれば、「ゲームはメディアの王様」という野津氏の持論は、新たな価値観として定着する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」