携帯から「感動」の連鎖反応目指すモブキャスト

 ハードの進化に伴い、ゲーム、音楽、映像など関連コンテンツの制作会社が次々と市場に参入している携帯電話業界。モブキャストは、ゲームと映画という2つのジャンルを同時に製作、プロデュースしているコンテンツ会社だ。

一流の開発者が携帯エンタメを作ったら

 同社を2004年に創業した社長の藪考樹氏は、携帯電話販売会社ベルパークの共同設立者だったが、「35歳までは自分の能力を活かした仕事をして資金を準備し、35歳から70歳まではやりたい仕事をする」という20歳の頃に立てた方針に従って、この会社を設立した。

 「それまで営業や販売の仕事を続けて上場も経験できたので、代理店的な仕事ではなく、自分たちでモノをつくって売る仕事をしたかったんです」

 また、藪氏は「昔から人を感動させることが大好きだった」という。ただし、藪氏が目指したのは、クリエイターになることではなく、クリエイターが働く環境を用意する経営者になることだった。

 「僕が『感動』に貢献できるのは経営経験なんですよ。経営ってクリエーターがタッチしたくない部分でもあるんです。では、それを僕がやるので、クリエイターたちには思う存分コンテンツをつくってもらいたいと。自分より感動させられる作品をつくれる人は、いっぱいますからね」

 オリジナルコンテンツの製作をメインビジネスに据える同社は、2005年以降、40種類近いケータイゲームと25本に及ぶケータイドラマをすでにリリースしている。

 ゲームプロデューサーには、「バイオハザード」「ストリートファイター?」で有名な岡本吉起氏を社外取締役として招聘し、ドラマでは『あずみ』の北村龍平監督らに製作を依頼するなど、携帯電話の枠内にとどまらないクオリティの高さを売り物にしている。加えて興味深いのは、携帯電話というハードに特化したソフトを開発している点だ。

 たとえば、2005年12月にリリースされた「早撃ちガンマン」は折りたたみケータイ専用で、バイブレーションが始まった瞬間にどれだけ早くケータイを開けて銃を撃てるかを競い合うゲームである。また、ケータイで撮影した写真を餌にして魚を成長させていく「フォトアクアリウム」、別のRPGと連動させてドラゴンを育てていく「エレオンナイト」というゲームも開発している。

 「これまでのケータイゲームは、異なるハード機向けのものを移植したゲームが多かったんですよね。でもそれでは面白くないから、携帯電話というハードに適したゲームをつくろうと。携帯電話には、バイブレータもカメラも電波もついているし、最近ではGPS機能もあります。そういった特性を生かしたゲームを開発グループにリクエストしてきました。

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