「ONPOO」の特徴は、独自プレイヤーとコミュニティ機能の融合だ。この特性を活かすことで、mixiやiTMS、マイスペースなど大手の間隙を縫っていくことを狙っている。
「バンドの人気を表すのに、最もわかりやすいバロメータはmixiのコミュニティの参加人数です。しかし我々は、mixiと同じ土俵で闘おうと思っているわけではありません。できることならアライアンスしたいと思っているぐらいですから(笑)。
ただし、mixiは音楽に特化したブランドではありません。パスタとバンドのコミュニティが同列になっている。さらに音も鳴らない。「あのバンドの曲がいいよ」と友人から勧められても、曲を聴かないと音楽性はわからないですよね。6万の音楽コミュニティがmixiにはあるといわれていますが、本当の意味で音楽が伝わる場にはなっていないと考えています。我々が音楽SNSをやろうと思ったのは、mixiにそれだけコミュニティがあるのなら、音楽に特化したSNSがあってもいいのかなと思ったからです。
さらに、ONPOOにはコミュニケーションツールとしての役割もあります。iTMSや、ナップスターなどプレイヤーを使ったディスクトップアプリケーションには、逆にコミュニケーション機能がない。大手のアップルさんやマイクロソフトさんが競合相手、というとおこがましいんですが、POOプレイヤーはそこを非常に意識しています。サービスが重なる競合というと、「Last.FM」というイギリスのインターネットラジオがSNS機能も併せ持っているので、比較的そこと近いですね」
日本における音楽ビジネスのメインターゲットは、基本的に中高生である。しかし、彼らが日々接するのは、PCではなくケータイ。ONPOOも、ケータイビジネスに進出する予定はあるのだろうか?
「やりたいです。ただ、独自プレイヤーを使って楽曲をケータイで配信するのは、CPUやメモリの規模を考えると、難しいかもしれません。POOプレイヤーはPtoPの技術を裏側で使っているんです。これを携帯電話のスペックでやるとなるとなかなか…。携帯キャリアも個人の端末に我々が入ることを許可しないでしょうし」
同社は3年後をめどに200万人のユーザー数を目指している。これは現在のmixiのユーザ数の5分の1にあたる規模だ。そのためには積極的にメディアや技術系のベンチャーと協力していかなければならない。
「我々だけでは限界があるので、積極的に他社さんとアライアンスを組んで行きたいと思っています。音楽レーベルや大手広告代理店さんと、広告モデルを一緒に開発しながら新しいメディアを育てていければと。
エキサイトの音楽レーベルである『エキサイトミュージックエンタテインメント』にも出資しています。将来的には、技術力をいかして、コンテンツの供給や、動画サービス、オーディションの開催など、関連事業にも乗り出したいですね。良い音楽が伝わっていくトリガーにONPOOがなっていき、『ONPOOって面白いことしているよね』というようなブランドを打ち立てられればいいと思います」
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