「ケータイ手ブレ補正でデファクト取る」--モルフォ - (page 2)

瀬井裕子(編集部)2007年06月26日 23時29分

「ケータイ向け手ブレ補正でデファクトを取る」

 平賀氏が創業を決めたきっかけは、自身の就職体験だった。平賀氏は東京大学理学部情報科学科でグラフィックス系の基礎研究を専攻。博士号を取得後にグラフィックス関係の企業で約2年間勤めた。

 しかし、会社が求める方向と考え方が合わずに起業を決意。大学時代からの友人の小長井千晶氏(現在代表取締役副社長)を誘って起業した。ちょうど東京大学が産学連携の強化のためにインキュベーション施設とベンチャーキャピタルを創設したタイミングで、モルフォはその第1号として出資を受けた。

070619morpho_hiraga.jpg「ホンダの本田宗一郎氏もソニーの井深大氏も、技術者の社長が日本を引っ張った。現在は技術立国というよりもサービスの新しさをウリにするなど会社も多様化しているが、技術職が社長を務めるのは王道だと思っている。技術が分かっていないと判断を誤ることにもなりかねない。技術者の側面と経営者のバランスを保てれば、会社として大きく発展していけると思う」と平賀氏

 起業にあたり、平賀氏が画像やグラフィクスに関連のある映像制作関係の業務を核にしたいと考えたが、映像系は開発に時間がかかる上に人手も必要となる。自分達が持っている技術を核として、勝負に出られそうな事業を考えた結果、手ブレ補正に行き着いた。

 今では静止画の手ブレ補正だけでなく、動画の補正や簡単にパノラマ画像を撮影できる技術も開発。同じく端末メーカー各社にライセンス提供している。

 海外への展開も視野に入れる。既に韓国の携帯端末ではパノラマ撮影の技術が採用されており、今後ノキアをはじめとした数社との提携を見込む。

 創業当時から、受託開発はせず自社開発技術のライセンス事業にこだわってきた。「1年後には国内の携帯電話に搭載される手ブレ補正の機能でデファクトを取る。将来的には社員数50人くらいで売上高50億円とするのが目標」だという。

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