eBay前COO、メイナード・ウェッブ氏がコールセンターを運営する理由 - (page 2)

文:David Hornik 翻訳校正:アークコミュニケーションズ、谷口茜、國分真人2007年09月13日 08時00分

 LiveOpsは自社のコールセンターソフトウェアの最大の顧客である。エージェントのパフォーマンス管理向上を(エージェントの働く場所に関係なく)模索する大手企業にプラットフォームを販売するのと同時に、LiveOpsでは自社のソフトウェアを使用して分散コールセンターを運営している。このコールセンターは1万3000人のエージェントを擁し、急速に拡大を続けている。LiveOpsのエージェントには全体として主婦や在宅勤務者が多い。彼らは、個人的な事情から、働く場所や時間を自分の都合に合わせて決めながらお金を稼げる方法を探している。Webb氏を引き付けたのはまさにこの点だ。彼に聞いたところ、eBayでの仕事で最も誇りに感じたことの1つは、多くの起業家がそれぞれの生活環境に最も合ったビジネスを立ち上げられるようにしたことだという。LiveOpsにもこれは当てはまる。仕事を外国にアウトソーシングするのではなく、国内にいる、高い教育を受けていながら、柔軟に働ける環境を必要とするために仕事がない人材に委託するのだ。さらにWebb氏は、LiveOpsでは、コールセンターが顧客サービスの効率と効果を高めていけば、より多くのエージェントが自分の裁量で環境をコントロールできるようになると指摘している。

 この大規模な分散エージェント部隊にはもう1つ副産物がある。LiveOpsは、実質的にあらゆる顧客のニーズに合わせてすぐに大幅な拡大縮小が可能な、世界で唯一のコールセンターなのである。この高い拡張性を示すよい例がある。ハリケーン「カトリーナ」災害の直後、米国赤十字社には被災者への寄付の申し出が殺到した。国民の善意に応えるために、米国赤十字社では膨大な寄付の電話を処理するコールセンターを探し始めた。結局、圧倒的な数の電話をさばけるだけの拡張性を持っている会社はLiveOpsだけだった。数時間のうちに、LiveOpsは米国赤十字社のフリーダイヤルにかかってきた電話を全米各地に散らばる数千人のエージェントに転送し、彼らはすぐに膨大な善意の寄付を受け付け始めたのである。

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