SEO軸に新広告市場に切り込むフルスピード - (page 2)

島田昇(編集部)2007年08月03日 20時25分

次の一手はマッチング広告

--ちょうどアイオイクスの滝日伴則氏やアイレップの渡辺隆広氏など著名なSEOの識者が注目されていたころですが、どのようにして他社を出し抜き、今の規模まで成長することができたのですか。

 そうですね、ほかにもアウンコンサルティングなど先行企業の後を完全に追いかける感じで営業していきました。それでもうまくいったのにはいくつか理由があります。

 1つは成功報酬型という料金体系で展開したことです。これが当時は珍しかった。我々は自社で10〜20のサイトを運営し、そのほとんどを上位表示できていたのでリスクはないと判断しましたが、「SEOは必ずしも順位が上がるとは限らない」と考える利用者に受け入れられ、広まっていったのでしょうね。

 また、2004年から2005年くらいから急激に伸びてきたわけですが、ここでは販売手法の見直しを随時行いました。まずは自社と代理店経由を使った本格的な営業活動を開始し、2005年の8月からは直販営業を強化。この手法がうまく売り上げ増をけん引していきました。

--社長が得意とする技術やノウハウの優位性よりも、営業戦略が重要な成長要因だった印象を受けます。どこかのタイミングでパートナーや軍師を引き入れたのですか。

 基本的にはすべてわたしが戦略を立てました。もちろん、財務や経営管理の人間は途中で入れましたが、2005年頃から正式にベンチャーキャピタルと接触し始めても、ハンズオンではない自由な経営というスタンスを貫いてきました。

 あえて言えば、昔から負けず嫌いな性格が奏功したのかもしれません。それに加え、「SEOをやっているとGoogleに強い」と思われがちなので、そこからリスティング広告も自然な流れで開始できましたし、社員が増えてくるうちに上場を意識するようになり、2005年からは上場に向けたモデルを考え始めました。

 最近では、当時の家庭教師紹介サイトを運営していたときのノウハウを生かし、新たにアフィリエイト広告のASP事業にも参入。後発ですが、6月実績で3300万円の売り上げ、7月は約5000万円と今後の成長が期待できる事業に育ち始めています。

--求人サイトを買収するというような動きもあります。

 これは集客に難のあるサイトを買い取り、SEOなど当社の集客ノウハウを活用して成長路線に引き戻すという戦略のものです。我々のノウハウがあればただで集客できるわけですし、サーバ周りのコスト削減ノウハウもありますから、比較的利益も出しやすいんです。

 2006年から始めた新たな動きですが、今後もどんどんサイトを買って行きたいと思っています。

--SEO、リスティング、アフィリエイト。この3本柱以外に、今後はどのようなモデルで成長戦略を描きますか。業態的に携帯電話広告への本格進出なども考えられますが。

 いや、携帯電話ではSEMはまだ早く、アフィリエイトは参入事業者が多すぎます。もう少し動向を注視する必要がありますね。

 着目しているのは1to1のマッチング広告です。実はすでに開発中だったりするのですが(笑)

 現時点で言えるのは、コンテンツマッチ広告よりも人を軸にマッチされるようなもので、また、行動ターゲティング広告のように履歴だけでその人の好みを提案するものではない、そんな広告手法を提案したいと思っています。リリース日はまだ決まっていませんが。

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