「単なるEC」からの脱却を--「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイが考えていること - (page 2)

インタビュー:鳴海淳義(編集部)、文:加藤さこ2007年05月11日 20時22分

ZOZONAVIで情報サービスを提供

──「ZOZONAVI」は検索によってZOZOTOWNから人を外のサイトに流すサービスになっていますが、どういう意図があるのでしょうか?

 ネットで買うかリアルショップへ行くかは、お客さまに自由に決めてもらえばいいと思っています。提供する側でなく、利用する側から見れば、便利なのはネットでも買える、リアルショップの情報も調べられるというサイトでしょう。お客さまに幸せや喜びを与えた分だけ自分たちに戻ってくるというのが基本的な考え方なので、囲い込みはせずに、お客さまの利益になることを積極的にやればいいと思うんです。ただ、ECサイトを展開しているショップさまへの直接リンクは有料オプションにしています。

──提携しているリアルショップのスタッフがブログを書くという企画を聞きましたが?

 「スタイルフォト」ですね。企画時から少し案が変わり、スタッフ、来店客のスタイルをアップロードする機能になりました。リアルショップのスタッフさまは、お客さまにとって自分の目指すスタイルをうまく着こなしている方が多いんです。リアルショップから街に来る人達の刺激になるように、積極的に投稿する機能を用意しました。

──アパレルでは、全国のショップを集めたサイトは今までなかったようですが、洋服版のぐるなびという感じですね。ユーザーの反応はどうですか?

 評判は良いですよ。自分の住んでいる街なのに知らない店がいっぱいあったという声をよく聞きます。ショップ情報は、検索エンジンではなかなか出てこないですからね。ナビは携帯電話で外からも使えて地図も出ます。雑誌を片手に店を探すというのは、あまりスマートじゃないですよね。その点、携帯電話でスマートに確認できるのは便利でしょう。

 今後は、ショッピングルート機能を追加していく予定です。これは自分のよく行くショップを線でつなぎ、どういうルートで辿るかを公開できる機能です。それに対してコメントが付けられ、コミュニティの方につながっていきます。

ZOZOならではのコミュニティの提案

──SNSの機能と結び付けていくということですね。SNSは、動画、音楽、ニュースなど、コンテンツがパターン化していますが、ZOZOTOWNではどういったサービスを展開していきますか?

 SNSといえばmixiさんのような機能が多いですよね。でも、同じようにやるのではなく、ZOZOらしいもの、ZOZOならではの機能を追加していきます。ZOZOでは会員をどんどん増やしていくというモデルは考えていません。限られたお客さまの中で濃い話しをしていただくのが当初の目的。今はその方向性をより強めていくための、つまり差別化を図っていく作業をしています。

 SNSサービスのZOZORESIDENCEには、居住区として第一棟があり、その他に第一棟に入居できなかった方のためのプレルームがあります。棟はSNSで活発に活動している人のスペースです。

──主に、SNSの中でユーザーはどんな活動をしていますか?

 人気が高いのは、タウンやタワーで扱っている洋服を選んで、クローゼットと呼ばれる自分の洋服棚の中にコメントを付けながら収納していくというサービスです。これは多くの人に楽しまれているようです。

 ファッションは、人に見せたいという気持ちがあり、組み合わせを楽しむものです。SNSによって、知らない人とつながるという面の他に、ZOZOでは自分を表現できる場があるという特性があります。

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