我々は虚業ではない--「ギーク」と「スーツ」がコラボする新生ライブドア - (page 2)

島田昇(編集部) 小林 ミノル 鳴海淳義(編集部)2007年04月26日 17時12分

--「虚業」ではないということを証明するために、会社に残ったという部分はありますか。

池邉氏:そこに関してはあまり“メラーッ”とは、していないですね。この会社には、「何かができそうだ」という期待感がまだまだあります。ネットを使って、世の中のライフスタイルを変えようと思ったときに、別の会社なら倍速でできるかというと、そうでもない。それなら、勝手を知っているライブドアにいた方が、やりやすいかなと。

出澤氏:みんな、割と会社が好きなんじゃないですかね(笑)あまりそんなことは言いませんが。それと、池邉などは特にそうなんですが、ライブドアのサービスは、自分の子供みたいなものですからね。やっぱり思い入れが会社に対してありますよね。良くも悪くも。

池邉氏:エンジニアの離職率は低いんですよ。流動性が激しい業界なのに、事件前後と変わらない割合ですから。まあ、エンジニアというのは、良くも悪くも、そういうことは気にしないものなのかもしれませんが。

世界標準のサービスとそれを目指す人

--先日の記者発表で新型のRSSリーダーについては、海外展開を目標とされていますが…。

出澤氏:それは、中長期的な目標です。モチベーションとして目標を立てる事は重要じゃないかなと。

池邉氏:日本に「YouTube」の事業所はないですしね、ぐらいのノリです。他言語で書いて、ネット上に置いておけば、海外展開といえば、海外展開ですよね。

出澤氏:優秀なプログラマーやベンチャーは、世界標準のサービスを作ろうとしているし、その辺にシンパシーは感じています。

 とはいえ、あまり夢ばかり語っても仕方がないので、少なくとも9月までは既存のビジネスをちゃんとやろうと。夢の部分にたどり着くまでには、スリーステップぐらいあって、ワンステップ目は、普通の枠広告の営業を9月まで頑張ると。ツーステップ目は、新型ブログの「PARC」(仮称)などでコンテンツマッチによってブログのトラフィックを伸ばして、広告収益率の向上を目指したいと。そして、スリーステップ目に、海外展開があったり、大きなムーブメントが起こるようなコンテンツをつくっていこうと考えているわけです。

--アメリカだと、スタートアップのベンチャーやサービスを買収することで、企業はポジティブな方向に進んで行きますよね。国内ではライブドアの事件で、技術力のある小企業がつくる面白いサービスを買い取りづらくなり、ライブドアだけでなく、日本のIT業界全体が停滞したのではないかという話もありますが。

出澤氏:コメントしづらいですねえ…。事業シナジーの必然性があれば可能性もありますが、M&Aをして拡大するという路線はあまり考えていません。

出澤氏:日本人はそうドライにジョインしない文化がありますよね。アメリカのベンチャーのなかには明らかに売却目的で会社をつくっているところもありますから。

出澤氏:この前、ネットの記事で、「堀江さんがいたら『セカンドライフ』と『YouTube』を真似するんじゃないの?」というニュアンスの記事があったんですけれど、自分たちはいま、技術者の感覚としてそのサービスが“あり”か“なし”かを判断しなければいけません。しかし、「“次のYouTube”がライブドアから生まれる可能性がない」とは、誰も言いきれないですよね。楽天さんもヤフーさんも研究所をつくりましたが、そういったものが今後出てくるとすれば、少人数のベンチャーか、それを内包した企業じゃないかという気がします。収益化すべきところは収益化しつつ、次に来そうなところの土台を作っておきたいですね。

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