ネットでも炎上する韓国の「国政介入」問題--ゲームアプリまで登場

 パク・クネ大統領の長年の友人とされる女性が政権運営に介入していたとされる「国政介入問題」。このスキャンダルをめぐり韓国が揺れている。スキャンダル発覚以降、韓国各地でデモが拡大、報道も日を追うごとにヒートアップ。日本や中国でも主要ニュースとして扱われるなど関心の高さをうかがい知ることができる。

 報道においてクローズアップされている問題点は「職権乱用」や「国政介入」であり、それに対し国民の失望感や怒りも大きく、韓国各地でパク大統領の辞任や真相解明を求めるデモも拡大している。過熱する報道合戦や声を上げる国民たちの熱い姿に、日本では驚きや戸惑いの声も上がっている。


パク大統領のスキャンダルをマスコミは連日報道、新聞や週刊誌もほぼトップニュースとして大きく扱っている

ネットでの異様な盛り上がり

 今回の黒幕とされているパク大統領の友人のチェ・スンシル容疑者。スキャンダル発覚後に欧州に身を隠していたものの、10月末に突如、韓国に帰国し事情聴取に応じた。

 彼女が検察へ出頭する様子が生中継されていたが、同時にネットでは検索キーワードランキングがすべてチェ容疑者に関連するワードで占められていた。事件に関連したものに加え、チェ容疑者の所持品にまで及んだ。たとえば、彼女が履いていた婦人靴のブランドはプラダ。その靴の価格は70万ウォン(日本円で約6万3000円)とすぐさまネットに公開され、ネットショップでは注目アイテムとしてあがったという。

 また、映画「プラダを着た悪魔」にひっかけて、チェ容疑者を「プラダを履いた悪魔」と呼んだり、出頭の混乱で転倒し、靴が脱げた様から「シンデレラ」ならぬ「スンデレラ」と言うネーミングがネットで拡散されるなど異様な盛り上がりを見せている。

スキャンダルをモチーフにしたゲームアプリまで登場

 そして、何とこのスキャンダルをモチーフにしたゲームアプリまで登場している。それも、1つや2つでなく複数存在するから驚きである。その中の1つ「カムバック!スンシル」というゲーム。馬に乗ったチェ容疑者とおぼしきキャラクターをタップし、いかに地上に落とすことなく星を獲得しスコアを上げられるかというものだ。

 ゲームオーバーとなった場合には、チェ容疑者とおぼしきキャラクターが牢獄に収監され「お姉さん、助けて!」と言っている画面が表示される。韓国では血縁関係がなくとも親しい間柄の年上の人物に対して「お兄さん」「お姉さん」と呼ぶ習慣がある。このため、ゲームの中のセリフ「お姉さん」とはパク大統領を指していることは一目瞭然である。

  • スキャンダル渦中の人物、チェ・スンシル容疑者を揶揄したアプリゲーム「カムバック!スンシル」のスタート画面

  • ゲームオーバーになるとチェ容疑者とおぼしきキャラが収監されパク大統領に助けを求めるセリフを言う

 また、キャラクターが馬に乗って登場するのは、チェ容疑者の娘が乗馬の選手であるからだと思われる。チェ容疑者の娘もやはり、大学の不正入学に関わった疑いや、SNSで国民に向けて暴言を吐き炎上するなど批判の矢面に立たされている。

 一見、ただスコアを稼ぐだけの単純なゲームに思われるが、キャラクターやセリフが事件をそのまま連想させたり、タップすることでストレスが解消できるという声もあり人気を得ている。

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