CocCocは、サービスリリース当初に情報感度の高い若者が集まるハノイやホーチミンでPR活動を展開した。使用感に対するフィードバックの収集やネット利用に対するニーズなどに時間を費やし、改良を加えることでユーザーを獲得していった。現在もCocCocのFacebookページに「いいね!」をしている65万人のユーザーの意見を参考にしているという。
CocCocがサービスの開発に力を入れていることは、同社の社員構成からも伺える。現在の300人の社員数のうち、7割がエンジニアだ。
CocCocの創業者であるLavrenko氏はロシア出身の元エンジニア。かつてロシアでGoogleと競い合っていた検索エンジン「Nigma」の創業者でもあ る。2010年にロシアで創業の準備を始め、2年後の2012年にハノイで会社を設立。そして、2013年にCocCocを正式リリースした。開発チームの主要メンバーはロシア人で、その一部はLavrenko氏とNigma時代をともにした仲間だ。
CocCocはリリースから10カ月で1000万人ユーザーを獲得し、1年4カ月でブラウザ検索エンジンとして国内第2位の地位を獲得した。今ではインターネットユーザー総人口の24%が利用している。
Google ChromeとCocCoc、両者の特徴を踏まえると、ユーザーは利用シーンによって使い分けることがありそうだ。ビジネス関連機能が充実しているGoogle Chromeは仕事で、CocCocは普段使いなのかもしれない。グラフを見るとCocCocは、Firefox、IE、Safariなどの大手ブラウザを上回るシェア率となっている。
収益源は広告収入。広告メニューは「検索連動型」と「検索履歴連動型」のバナー広告がある。後者の検索履歴連動型は、検索履歴にあるキーワードと関連したバナー広告が、新しいタブを開いたときに表示されるというものだ。最近は、広告営業の日本向け窓口を設置。広告を出稿したい日系企業に日本語で対応できるようにしている。現状はローカルの企業や個人事業主に向けてセミナーを開催し、インターネット活用の基礎から理解してもらうように努めている。
CocCocはいま、位置情報を活用したサービスとモバイル版検索エンジンの準備を進めている。世界的に見ても珍しい「Googleを脅かす企業」として、CocCocの今後の成長を引き続き注視したい。
(編集協力:岡徳之)
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