クラウドファンディング発の「日タイ越境」プロジェクト--食文化の融合で地方創生 - (page 2)

市川俊介(株式会社ワールドストリート)2016年01月22日 09時30分

「READYFOR」を積極活用--2度の資金調達

 一連のプロジェクトを主宰するNPO法人「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」の代表理事である西田さんは、元グラフィックデザイナー。20代半ばにバックパッカーとして訪れたタイ・チェンマイでの現地の人びととの出会いが彼の人生を変えたという。

 帰国後、一度は自らタイ料理店のオーナーシェフになることを決意。東京都内のタイ料理レストランで厨房修行の日々を送っていた。しかしその後、社会貢献への思いや、自身が地方出身者であること、これまでの経験などがリンクし、現在の活動のコンセプトに行き着いたそうだ。


西田誠治さん

 そして、2010年に前身となる任意団体を設立。2011年に内閣府地域社会創造事業ビジネスコンテストで採択を受け、2012年4月にNPO法人化を実現。前述の通り、2014年にはクラウドファンディング「READYFOR」を活用して100万円の資金を調達し、日本の47都道府県の食材を使ったタイ名物、グリーンカレーのレシピコンテストを主催した。

 2015年には前述の「まるごとおいしいタイランド! Roll 77 Thailand with SUSHI Project」を実現するためREADYFORで再挑戦し、300万円(うち半額150万円はアサヒグループホールディングス出資分)の資金をもう一度調達。SmartNews主催のNPO活動支援プログラムの第1期団体にも選出され、100万円分の広告出稿を実施した。

 タイでも多くの支援を集めている。活動初期からタイ国政府商務参事官事務所、タイ国政府観光庁の正式後援を受けており、前述のようなタイの農家を支援する活動については、在京タイ王国大使館を窓口にした政府機関のサポートを受けながら展開している。

 西田さんと「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」が目指すのは、食と観光の分野における日本とタイの交流プラットフォームとなることだ。

(編集協力:岡徳之)

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