Cho氏はもう一つの方法として、BlackboardのようなLMSにもトライした。しかし、それでは今度は生徒が退屈に感じてしまい、宿題を提出するなど必要最低限の用途を除いては全く使われなくなってしまったという。こうした経験から同氏は、生徒にとっては使って楽しい、先生にとっては使いやすいサービスを自ら開発しようと決心した。
CLASSTINGは、韓国で9000の学校、10万のクラス、120万人の先生や生徒に利用されている。また米国で3000クラス(4万人)、日本で2000クラス(3万人)、フィリピンで2000クラス(3万人)、その他の国と地域で1万クラス(10万人)にそれぞれ使われているという。韓国では先生によるクチコミで自然にサービスが拡がっていった。また海外の学校と交換留学をしている韓国の学校で使われ始めたことで、海外でも知られるきっかけとなった。さらに、韓国を訪れた日本の先生がサービスを知り、日本版の制作にボランティアで参加してくれたのだという。
Cho氏が韓国に続く2カ国目として日本を選んだ理由は、当時韓国の教育現場で起こっていた問題が日本でも起きており、「いじめ」という言葉があることを知ったからだ。また、韓国と日本の教育システムが似ていることも背景にある。さらに、将来的にこのサービスを通じて韓国と日本の間で生徒の交換留学を実現できれば、2国間のよりよい国交に貢献できるとも考えているという。同氏はソフトバンク代表取締役社長である孫正義氏とも会談し、ソフトバンク・ベンチャーズ・コリアから資金を調達している。
CLASSTINGの利用は現在無料だが、構想中のビジネスモデルは教育のエコシステムを築くこと。具体的には、サービス内で教材を制作する会社と、先生や生徒、保護者をマッチングさせることで収益を得るもので、今後その仕組みを構築していく。直近では、韓国、日本、シンガポールでのサービス拡大に注力する。また現在は小学校、中学校、高校を対象にサービスを開発しているが、今後は幼稚園や大学にもその対象を広げていきたいという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス