スマートフォンネイティブが見ている世界

「あのネタは反日」「LINE有料化」—オンオフでつながりデマに騙される小学生 - (page 2)

情報の真偽を確認する癖を身に付けよう

 先ほど述べた通り、子どもたちは「友だちが言っていた」「ネットに書いてあった」という理由で安易に情報を信じやすい。その上、情報の真偽を確かめる術を持っていない。ベネッセ教育総合研究所調査(2014年2月)によると、「インターネット上の情報について、正しさを確認する方法がわからない」という質問に対し、中学生の約3割、高校生の約5割が「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答している。

 では、ネット上の情報が本当かどうか、どのように確認すればいいのだろうか。まず基本的なことだが、情報の発信者、発信元を当たろう。たとえば「LINE有料化」「LINE18歳未満利用禁止」のようなデマは、運営下のLINE株式会社のホームページでプレスリリースを確認したり、公式Twitterに確認を取ればよい。

 Twitterが情報源であれば、その元ツイートを発信したアカウントを確認しよう。たとえば、東日本大震災時には「リツイートしてください 地震で家が崩れ外にでられません がれきの中に閉じ込められています。救助をよんでください」「皆さんごめんなさい 焦っててつい場所を書くのを忘れてました 気仙沼市です」というツイートがあった。その後、このアカウントはツイートが事実ではなく愉快犯だったことを告白。しかし、告白後も善意の拡散は留まらず、1万件以上ものリツイートされることとなった。このような事態も、元のアカウントと前後のツイートを確認することで、ある程度信頼できる情報かどうか判断できるはずだ。


発信源を確認することで情報の真偽が確認できることは多い

 入学式で信州大学学長の山沢清人さんが「スマホやめますか、信大生やめますか」と講演し、炎上したことがある。しかし、攻撃していた人のほとんどは講演全文を読んだわけではなく、一部を見て脊髄反射で反応していただけだ。これではやはりデマを広めるのと変わらない。メディアでは一部分だけが切り取られていることが多いため、全文に当たって真意を自分で確認すべきだろう。

 たとえ善意からでも、デマの拡散に協力してはならない。一度広がったデマは取り消すことが難しく、どこまでも広がり続けてしまい、結果的に多くの人に迷惑をかけてしまうことになる。本当かどうか分からない情報は安易に広めないこと、情報の発信源を確認し真偽を見極めることが大切だ。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]