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ネット広告における値引き以上の付加価値とは--長期的視点で広告効果を上げる施策

2007/11/02 13:00
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 広告代理店として常に考えなければならないこと、それはクライアントの広告効果を最大化することだが、問題はどのような方法で広告効果を高めるかということである。

 もっとも多いパターンとして見られるのは「広告代理店による広告メニューの値引き」である(媒体社自体による広告メニューの値引きではない)が、これは本当に効果的な方法なのだろうか。

 この「値引き」の効果と、広告代理店が提供しなければならない値引き以上の「付加価値」について考えてみたい。

「値引き」の落とし穴

 「値引き」は即時的に費用対効果を良くする力があることは間違いない。ただし、広告主が広告代理店に「値引き」を要望する際に注意が必要な場合がある。長期的に考えると、広告主にとって必ずしもプラスにならないケースがあるからだ。

「媒体社からの値引き」>「代理店値引き」

 例えば、広告主があるメニューを実施したい場合、広告主によっては複数の広告代理店に打診をして価格競争をさせる場合があるが、実はそれが必ずしも有効な方法とは限らない。

 仮に、媒体社が複数の広告代理店より、同一広告主に対する広告メニューの値引き相談を受けた場合を考えて頂きたい。

 媒体社は自社の利益を保つために、当然ながら必要以上の値引きはしたくないと考える。問い合わせが媒体社に殺到すれば、それだけ広告メニューに対して需要がある(=媒体社で値下げする必要性が低い状況)と考える傾向があり、また、媒体社は各代理店への公平性を保つために、基本的には各社に同額でのメニュー提供を行う。

 つまり、複数の代理店への打診を行うことにより媒体社が値引きを行う必要性が少なくなるため、メニューの料金を調整することが困難になりやすいのだ。

 そして、広告代理店自体で可能な値引きというのはそれほど大きくない。 広告代理店が得ている代理店マージンは、媒体毎に異なるものの、概ね売上の15〜20%程度であり、代理店で値引くにも限界がある。

 このように、代理店での値引きよりも媒体社の値引きの方が大きい金額を調整できる可能性が高く、広告メニューをできるだけ安く実施したいのであれば、複数の代理店を競わせるよりは、広告代理店を1社に絞ってメニュー調整を行った方が、媒体社との交渉も優位な立場で話を進められ、大幅な値引きを実現することが可能になる場合がある(もちろん調整を行う広告代理店に媒体社との調整・交渉力があることが前提となる)。

「代理店値引き」<「広告代理店の付加価値」

 広告代理店からの値引きについて、もう1つ言及したい。

 上述した通り、広告代理店は限られたマージンを元にさまざまなサービスを広告主に提供しているため、値引きを実施することによって、その広告主に対して投入できる人員やサービス提供などが減少する傾向にある(これは基本的な傾向であり、もちろん例外もある)。

 「値引き」を行うことは一時的に費用対効果を良くすることができる。しかし、その「値引き」によって広告代理店の提供する様々な付加価値・サービス(コンサルティングやカイゼン、日々の運用やクリエイティブ制作、レポーティング)などを十分に受けられなければ、広告掲載後でも継続的に広告効果を高めるための仕組み作りを十分に行えない。

 結果的に「値引き」をしない方が高い効果を出せる場合がある(例えば、「値引き」で"一時的"に10%の効果が良くなるより、"継続的"に効果が5%良くなる仕組み作りを行うことの方が価値が高いとは考えられないだろうか)。

 このように広告効果を最大化するためには、「値引き」だけでなく、広告代理店それぞれが提供するサービス・付加価値を有効活用することが必要になってくる(もちろん、値引き・付加価値提供の両方を行うケースもあるが、値引きをした分だけ原資が減るため、提供可能なサービスの幅は狭まる)。

 「値引き」はあくまでも費用対効果を高める方法の1つに過ぎず、「もっとも効果的な方法」とは限らないということを改めてご認識頂きたい。

広告代理店の付加価値

 「一時的な値引きよりも、継続的な広告効果向上の仕組み作り」こそが広告代理店としての付加価値であり、広告効果をもっとも高められる可能性を秘めている。

 では、具体的にはどのような方法で広告効果を高めることができるのだろうか。大きなポイントとしては下記3点を中心としたPDCAを徹底して行うことが重要となってくる。

A.出稿メディア・メニューの分析・選定
B.クリエイティブの分析・制作:バナー
C.クリエイティブの分析・制作:LP(ランディングページ)

 例えば、上記に対して値引きを行わないことで得られる利益をもとに、人と時間を掛けてそれぞれ5%ずつ効果を高める努力を行った場合、

「A.予算に対しての最適な出稿メニューのバランスをとるなど」で5%効果アップ
                  + 「B.過去実績から成功・失敗パターンの抽出と、クリエイティブ人員の増強による質の向上」で5%効果アップ
                  + 「C.出稿メニュー・バナー・LPの最適な組み合わせの検証と、LPの質向上」で5%効果アップ

 単純計算はできないが、これだけでも15%以上の効果を引き出すことができるのではないだろうか(ほかにも、事前リサーチやサイトコンサルティング、出稿中バナーの効果的な原稿差替、CRMなど方法は多数ある)。

 このように1つ1つのポイントに分解して、しっかりと効果を上げるための努力を積み重ねることで、値引き以上の効果を出すことができると考えている。

 上記で述べたことは決して理想論ではない。実際に「値引き」をやめて、その分万全の納品体制で出稿を継続することで、前年比50%以上の効果アップを達成した実績なども出ている。

 広告代理店がその力を十分に発揮し、そして広告主の皆様にも「値引き」という短期的視点だけでなく長期的視点でお付き合い頂くことで、WIN-WINの関係を長く築いていければと思っている。

鈴木清司(セプテーニ)

Webマーケティングガイド

このレポートは、インターネット広告やWebマーケティングを手掛けるセプテーニが運営する情報サイト「Webマーケティングガイド」から記事提供を受けています。

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