約75%のドライバー「ヒヤリ」経験あり--自動運転の普及は安心への納得感が不可欠

文:Work-Life調査団 構成:ソフィア2007年06月04日 08時00分

 今回のテーマは「安全走行支援システムの利用状況と利用意向に関する調査」。

 自動車運転の安全につながるシステムが数多く開発されるなか、安全走行支援システムの利用意向を調査した。

 今回の調査は5月28日〜5月30日で行い、全国の車を所有する1074人の男女(20歳代19.65%、30歳代19.93%、40歳代20.20%、50歳代20.20%、60歳代以上20.02%)から回答を得た。

 自動車を所有する人の約75%の人が、自分の運転が原因で危険な場面に遭遇していることが明らかになった。その理由としては「考え事をしていた」が42.38%、「居眠り運転」が33.95%、「スピードの出しすぎ」が33.33%などがあり、年間約90万件の交通事故が運転者のヒューマンエラーに起因する場合が多いことが納得できる。これを男女別にみると、女性の場合、「考え事をしていた」に並び「操作ミス」が1位となっている。

 危険に直面している人が多いなか、事故が起こってからの安全確保につながるエアバッグが開く条件について詳しく知っている人は約3割にとどまっている一方で、エアバッグについてはほとんどの人が必要であると考えている。新車ではほぼすべての車に搭載されているエアバッグは多くの人が体感しないまでも、メディアなどで多く取り上げられており、自分の身を守るためになくてはならないものと感じている人が多いようだ。

危険な場面に遭遇したときの状況 危険な場面に遭遇したときの状況(gooリサーチに登録した全国の1074人の男女に5月28日〜30日に調査)

 事故を未然に防ぐための安全走行支援システムについて必要だと答えた人は全体の8割強にのぼり、事故が起こってからの安全確保につながるエアバッグと同様に、ドライバーの安全への意識の高さが伺える。

 ドライバーが求める安全走行支援システムを個別に見ると、すでに一般の車に普及しているABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やスタビリティ・コントロール・システム(突発的なハンドル操作に対して安全を確保するシステム)は全部欲しいと併せて約8割〜9割の人が必要であると答えている。

 それに対し、自動運転の基礎と位置づけられる横方向の運転支援システム(車線逸脱警報システム、車線維持システム)を望む声は約6割となっている。安全走行支援システムとしての潜在的なニーズはあるものの、その機能が認知されていない、体感したことがないシステムについては具体的効果が伝わらない限り、必須の機能という認識には至っていないようだ。また、夜間の運転の安全を確保するシステムも人気があることが明らかになった。

 これを男女別にみると、女性の場合は約半数の人が全部のシステムをほしいと答えている。安全走行支援システムは高級車から搭載される傾向にある一方で、女性の利用が多い小型車には搭載されているものが少なく、ニーズと供給のギャップが存在している状況だと言えるだろう。

 夢の「自動運転」へ。安全走行支援システムの開発が進むなか、今後は、命を預けても安心であるということを顧客に認知・体感させることで、需要を想像することが差別化要因となるためには不可欠な条件であると言えよう。

事故を未然に防止するシステムのなかでほしい機能 事故を未然に防止するシステムのなかでほしい機能
事故を未然に防止するシステムを全部は必要ない理由 事故を未然に防止するシステムを全部は必要ない理由

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