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モバイル動画市場は本当に成熟したのか?--「ドコモ動画」から「BeeTV」へ - (page 3)

倉田浩明(ドコモ・ドットコム コンサルティング部コンサルタント) 2009/07/03 12:07

【2009年】、BeeTVから始まるモバイルiメニュー動画第2章

「テのひらで見る、あなた専用放送局」

 BeeTVのHPを見るとそう書いてある。このBeeTVが今までの動画サイトと大きく違う点は、モバイル発の動画のみでコンテンツが構成されており、見逃し需要や投稿された面白い動画を見るというコンテンツが一切ないことだ。集客に関しても、大量の資本を投じたiモードトップジャック広告、iチャネル、週刊iガイド動画枠などのキャリア広告枠と呼ばれる部分に片っ端から露出していることも大きい。 さらには電車広告やOOH(看板広告)、TVCMにYouTubeとの共同キャンペーンなど、あらゆるメディアからの誘導を図っている。

 その結果、短期間のうちに、動画に興味のないユーザーも含めさまざまな人々に訴求を行なうことができ、僅か1カ月間で1000万ダウンロードを達成するに至った。

 この結果からも、モバイルで動画を見るということが初めて一般化したとも言えるのではないだろうか。

 また、入会時に1週間という比較的長い期間の「お試しマイメニュー」を経由させたことも1000万ダウンロードに大きく貢献したはずだ。

 一方でこの1年間でユーザーのニーズはどう変わったのか。2009年2月、IMJモバイル調べによると、有料、無料のニーズ比較でも、相変わらず約8割を無料が占めており、依然無料ニーズが高いことが窺える。

 また、「閲覧しているジャンル」に関しては音楽関連が67%と最も多く、次いでアニメの34%となっており、PCでの閲覧ジャンルと変わりない順位になっているという。1年前は、モバイルで動画を見ない理由に「パケット代がかかる」「表示速度が遅い」といった理由が挙げられていたが、この調査によるとモバイル動画を見ない理由に、「画質」「画面サイズ」という理由が挙げられており、ユーザーの問題視する点が変わったことが分かる。

 これは、ユーザーがモバイルで動画を視聴する「満足度」を問われるステージに移行したことを表している。

【2009年以降】、iメニュー動画市場は皆が狙うポテンシャルを秘めた宝島と化した

 BeeTVの参入により、再び注目され始めた動画市場。オンデマンド配信やモバイル発のコンテンツ、モバイルスペックの高性能化や、通信速速度の向上、そして、供給されるコンテンツボリュームの増加により、動画市場は更なる競争の激化が見込まれ、ユーザーが一目置く市場と言える。また、パケット定額制が40%弱の現在、キャリアとして推進する動きなどから逆に考えれば60%の潜在ユーザーが控えているとも考えられ、母数の広がりには十分期待できるはずだ。

 そのようなモバイル動画市場を取り巻く環境からも、今後市場としては、潜在している各種ニーズが顕在化し、成長速度は加速すると思われる。コンテンツプロバイダーにとっては、この状況は歓迎すべきことであり、参入を一考するには良いタイミングではないだろうか。

 同時に、ただ供給するだけのサイトでは人が集まらない可能性は高く、ユーザーの利用シーンを想定したコンテンツ、ユーザーへのインセンティブなどを考慮し、さらには集客導線の確保など、さまざまな観点からサイトを作り上げる必要が生まれてきたことも軽視してはいけない。

ドコモ・ドットコム
ドコモ100%子会社。iモード創設以来独自のマーケティングデータ、調査データを元にモバイルコンテンツ市場の分析と、参画する企業に対してコンサルティングを行なう。

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