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ウェブ解析ガバナンス成功の3原則
米国のウェブ解析エバンジェリスト、Avinash Kaushikの近著「Web Analytics − AN HOUR A DAY」に、「10/90ルール」というものが紹介されている。これは“ウェブ解析に投ずる全予算のうち、10%をウェブ解析ツールに、90%を人材に投資しろ”というもので、人材の重要性が強調されている。
ウェブ解析を成功に導くためには、人材と等しく重要なのが組織体制だ。我々コンサルタントはしばしばこの組織体制をF1レーシングチームに例える。優れたレーシングカー(ウェブ解析ツール)に投資をするのであれば、ドライバー(ウェブ解析担当者)とドライバーをアシストするテクニカルチーム(ITチーム)が必要であり、さらにトップマネジメント(経営層)が関与することで、リソースの確保とビジネスに対する重要性をアピールすることができる、という訳だ。
そこで、今回はウェブ解析を成功させている企業に共通してみられる、ウェブ解析ガバナンス(社内の体制・仕組み作り)に焦点をあてて、お話したいと思う。
ウェブ解析ガバナンスの基本3原則
ウェブ解析を成功させるためには、ウェブ解析を組織に浸透させ、データに基づく意思決定の社風を作ることが重要だが、口で言うほどそれは容易くない。そこで、まずは最初の一歩として次の「ウェブ解析ガバナンス基本の3原則」をチェックしてみてほしい。
- Focus:選択と集中
- People:適材適所
- Structure:仕組み化
まず第1の原則が「選択と集中」である。ウェブ解析を導入する際に陥りがちなのが、「何でもかんでもデータを取りたい!」という過度のデータ依存だ。特にウェブ解析に対する期待が大きい組織や担当者ほど、その傾向にある。ここで思い出していただきたいのは、ウェブ解析のゴールは、「データを取得」することでもなければ、「データを見る」ことでもなく、「データに基づいたビジネスの最適化」を行うという事だ。
それでは、ウェブ解析を実施する上でどのような「選択と集中」を行う必要があるだろうか。まずは、「基本のKPIデータを取得」することから始めてほしい。ウェブ解析データを活用して欲しい社内のスタッフの多くはウェブ解析初心者である。そのような初心者にいきなり大量の複雑なデータを押し付けても、消化不良を起こすだけで、ウェブ解析データを活用する風土は浸透しない。
ポイントは、重要なデータ(KPI)を、初心者でも消化できる量だけ提供してあげることだ。次に、短期間で改善作業が実行可能なプロジェクトをまず優先する。「早い段階での成功体験」を得るためだ。 ウェブ解析の導入初期段階では、どんな小さなことでも良いので、データに基づいた改善を実施し、その結果を社内に共有することで、社内のウェブ解析に対する理解と期待値がぐっと高くなる。
ここまで来ると、今度は社内からたくさんの改善要望があがってくる可能性が高い。そこで今度は、「2:8の法則」を当てはめて、ビジネスゴールに対して大きなインパクトを与えるプロジェクトを選択し、優先的に実施する。例えば、リード(見込み客)獲得を目的とするウェブサイトで、資料請求フォームからの離脱率が50%あった場合には、「入力フォーム」の改善が最終的な「リード数」に大きなインパクトを与えるので、最も優先されるべきプロジェクトとなる。
第2の原則が「適材適所」である。社内にキーパーソンを設置することにより、ウェブ解析データの活用を社内に浸透させる「エコシステム」を作ることができる。
ウェブ解析エコシステムこれらのキーパーソンの中でも、専任の「ウェブ解析担当者」とウェブ解析に理解のある「エグゼクティブスポンサー」の任命がウェブ解析ガバナンスの成功を左右する。
ウェブ解析担当者は、エコシステムの中の主原動だ。ウェブ解析担当者は、常に我々のようなベンダーからのノウハウを吸収し、現場のニーズを吸い上げ、限られたリソースをプロジェクトの優先順位に即して分配し、そして得られたウェブ解析によるビジネス最適化のノウハウを会社の知的財産として蓄積していくといった、重要な役割を担う。
大山 忍
オムニチュア株式会社 ベストプラクティスコンサルタント
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。2007年1月よりオムニチュア株式会社に参加。日本初のベスト・プラクティス・コンサルタントとして米国でのノウハウを、日本のお客様のニーズに合わせ提供している。
著書:『オンライン・マーケティング&ネット広告 HANDBOOK』
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