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TECHNOLOGY @WORK 東京 2012レポート
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PCインターネット広告市場と異なるモバイル広告市場
しばしば、PCとモバイルの広告市場はまったく別であるという話を聞く。インターネット広告市場で長く事業をしている方と話をしていても、モバイル広告市場については、PCの市場と比較した場合の規模の小ささゆえであろうか、これまでは余り注視されていなかったという印象を受けることがあった。
ただ近頃では、その状況も変わりつつあるといえよう。例えば大手総合代理店では、モバイル広告を拡販すべく、組織体制を強化しているという話も聞く。
5年遅れから独自の発展プロセスへ
PCとモバイル広告市場とを比較する際によく聞く話として、「モバイル広告市場は、PC広告市場の5年遅れで進行している」というものがある。
ただし、今回の調査をしたときに、モバイル業界の方にその話を投げかけると、「今はPCとモバイルの市場はより近づいており、3年遅れくらいであろう。ユーザーサービスにおいては、すでにPCと遜色のないレベルまできているであろう」という答えが返ってきた。
現在では、PCとモバイル双方のメディアから得られるユーザーメリットという点では、端末環境の違いからくる物理的な制約を除けば、モバイルがPCをキャッチアップするというプロセスは終わったといえよう。
今後は、モバイル独自の発展プロセスへと移行していくと言われており、また同時にそれが求められている。これは、モバイル端末に装備されているカメラや電子マネー、GPSなどの付加機能と、端末画面内で表現されるメディアとがリンクした、モバイル独自のサービス提供の方向に向かうということであろう。
例えばそれは、2007年に一斉を風靡した、ジェイマジックの「顔ちぇき!〜誰に似てる?〜」のようなサービスが、ユーザーから支持を得たということにも象徴されている。
当たり前のことであるが、広告ビジネスは、メディアがユーザーへのサービス提供をして収益を獲得するための手法のひとつである。ある新しいサービスユーザーからの支持を得て、そこで広告収入モデルが取り入れられていて、始めて広告市場の拡大に貢献することとなる。
したがって、モバイル広告市場が、PCを中心としたインターネット広告市場に連動し、その何割かの構成比を維持して拡大するというような成長トレンドから抜きん出るためには、モバイルならではの新しいサービスが、今後も期待されるところである。
ヒアリングエピソードが示唆するモバイル広告市場とは
今回のモバイル広告市場の調査では、ある大手インターネット専業代理店のモバイル事業の幹部の方と、1時間くらいにわたり話をお聞きする機会を得た。
モバイル広告市場について、非常にわかりやすく面白い話をしてくれる方で、今回の調査でも特に印象に残っているヒアリング先の1つであったのだが、その話の中で、とりわけ印象に残ったのは、インターネット広告販売事業をする上で、PCインターネット広告とモバイル広告とでは、求められる知識やスキルがまったく異なるということであった。
この方は、元々PCインターネット広告の事業に携わられていたのだが、後にモバイル広告事業の担当にコンバートされたとのことである。その当時、PCとモバイルの広告市場の環境が異なることを知り、市場の理解のために勉強を重ねられたとのことであった。
また、大手PCポータルサイトを運営する媒体社で、モバイル事業への進出を担当された方は、「以前PCインターネットの市場で事業をしていた時と、お付き合いする事業者がまったく違うことが印象的である」と語っていた。
その他にも、モバイルメディアの動向を追っている、ある総合代理店の幹部の方が、「PCの市場は、大手数社の動向を見ていれば、ある程度市場の動向が見えてくるが、モバイルの市場は同じようにはいかず、全体の動向が把握しづらい」という感想を漏らしていた。
ここで挙げたいずれの話も、モバイル関連事業に携わっている人達の話であるが、インターネット広告の現業のプロフェッショナルであっても、モバイル広告市場の全体を見通すのは一筋縄ではいかないということを物語っている。
実際にPCとモバイルの広告市場全体を見渡した場合に大きな違いとして指摘できるポイントは、大きくわけて2つある。
1つは、広告の流通体系における特徴であり、そしてもう1つは通信事業者の市場におけるプレゼンスの大きさある。モバイル広告市場は、この2つのポイントが、相互に関連性を持ち合うことで、PC広告市場との違いを体現させている。
逆に、これらのポイントを押さえておけば、見えづらいモバイル広告の市場が少し見えてくるようになる。次回以降では、モバイル広告市場の特徴をつかむためのポイントについて述べていくことにする。(担当:シード・プランニング 野下智之)
株式会社シード・プランニング
1983年の創立以来、映像・放送・通信分野の調査研究を継続して実施しており、デジタル家電、マルチメディア関連機器、モバイルコンピュ-ティング、通信端末等に関する豊富な調査データの蓄積を基に、受託調査および自社企画調査を手がけている。
近年は、ブロードバンド時代に対応したインターネットビジネスや、通信と放送の融合に向けた新しいビジネスやサービス、ユーザー動向について、特に注目している。
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