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顧客経験を個別にデザインする「One to One」設計のススメ - (page 2)
サイト内での行動履歴を蓄積し、関心領域が予想できればその領域の情報を優先して表示することも有効といえます。
【サンプル】サイト内行動に応じて、露出するコンテンツを変化させる
図3:WWF Japan (http://www.wwf.or.jp/) ※画像をクリックすると拡大します。
リピーターが多いサイトであれば、サイト内でのユーザーの行動履歴を蓄積し、関心領域をあらかじめ予想することも検討できるでしょう。関心の高い領域に関わる情報をメールマガジンで送付する、などのアプローチもビジネス成果につながります。
【サンプル】サイト内行動に応じて、送付するメールマガジン内容を変化させる
図4:転職サイトの場合 その他にも、One to One個別対応には様々なアイデアあります。ユーザーを知り、少しでも行き届いた接客を行う---すでに一定のレベルに達しているウェブサイトでも、さらなる改善の余地はあるはずです。
【One to One個別対応例サンプル】
- IPアドレスからアクセス元の都道府県を判別し、地域別に情報を出し分ける
→エリア特性のある商材やサービスに有効 (寒い地域と暑い地域で商品を出し分けるなど)- アクセスする時間によって情報を出し分ける
→タイムセールなど、時間によってアピールすべきサービスがある場合に有効- 利用するブラウザによって情報を出し分ける
→ゲーム関連の商材を扱っていれば、PSPやPS3などでアクセスするユーザーにはそれらの商品をアピールするなど考えられる
「One to One」設計はパラダイムシフトである
D.ペパーズらが触れているとおり、近年の技術の進歩によってユーザー一人一人を見据えた個別最適化が可能になったことは、大きなパラダイムシフトにほかなりません。
マスメディア全盛の時代では、幅広い画一化された顧客とのコミュニケーションが主でした。前述の「小売店主」と「毎日通う顧客」の例で言えば、マスメディアの時代には、顧客は小売店主と会話することなく広告で見かける商品を店の棚で手に取る状況にあった、といえます。
しかし、時代は変わっています。テクノロジーの進化により、以前の小売店主と同様、一人一人の顧客に対して行き届いたサービスを提供することが可能になっています。ウェブサイトの設計・デザインの前提が変わってきているのです。
すぐにはユーザー個別最適化をお勧めしないケースも
注意すべきは、これらの個別最適化ツールさえ導入すれば成果が上がるということではない点です。意味もなくツールを導入しても宝の持ち腐れになってしまうことでしょう。
あなたのサイトを訪れるユーザーは、どのようなニーズをもってサイトを訪問し、何を達成することを望んでいるか考えていますか?ユーザーニーズに応えるサイトの設計・デザインのあり方を考えていますか?
もし、これらの作業にまだ着手できていないのであれば、個別最適化ツール導入を検討するのはまだ早いといえます。個別最適化は、あくまでターゲットユーザー定義やシナリオ設計といったユーザー中心設計手法の先にあるものです。これらが不十分なまま、複雑な設計が必要となる応用編に進むのは危険です。
参考書籍:
- D.ペパーズ、M.ロジャーズ(1995)『One to One マーケティング』ダイヤモンド社
- D.ペパーズ、M.ロジャーズ(1997)『One to 企業戦略』ダイヤモンド社
- J.S.プルーイット、タマラ・アドリン(2007)「ペルソナ-顧客経験のデザイン」『ハーバードビジネスレビュー』2007年7月号 ダイヤモンド社
- T.A.フォーリー(2002)『One to Oneマーケティングを超えた戦略的Webパーソナライゼーション』日経BP社
- B.Pウルフ(1998)『顧客識別マーケティング』ダイヤモンド社
- C.アレン、D.カニア、B.イェッケル(1999)『インターネット時代のワントゥワンWebマーケティング』日経BP社
株式会社ビービット
仮説検証型の独自方法論「ビービットUCD(User Centered Design)」を用いて、ウェブおよび携帯サイトの戦略立案、サイト設計、構築、効果検証を行うインターネットコンサルティング会社。
年間1000人を越えるユーザビリティテスト(ユーザー行動観察)やアイトラッキング調査など各種リサーチを実施し、ウェブユーザーの心理と行動パターンを分析。サイトの売上向上、コンバージョン率改善などの具体的成果の創出を行っている。
絶えず変化するウェブユーザのニーズを把握し、インターネットを通じた企業の収益機会を実現するための方法論を解説。「ユーザ中心ウェブサイト戦略~仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践」
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