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いきづまったモバイルサイトプロモーションを見直すラテラルシンキング
これまでモバイルSEOの技術的な側面を中心にコラムを執筆してきたが、今回は対策ワードの選定時に考えるべき観点について述べたい。
そもそも、SEOに取り組む最大の意義は検索ユーザーとの接触機会の最大化にある。誰もが容易に想起する一般名詞は検索数が非常に多く、こうしたワードで検索結果上位に表示することができれば最大多数の検索ユーザーにリーチできるようになる。
ただし、多くのサイトは近視眼的に顕在層をターゲットとした、いわゆる“ビッグワード”で対策を考える傾向が強いため、検索結果上位枠を狙う競走は激化する。競合サイトも順位やパフォーマンス維持向上のため、サイトのスパイラルアップを欠かさない状況下で、ビッグワードで真っ向勝負をかけることが最も意味のある戦略であるかといえば必ずしもそうではない。
あの手この手を尽くすために時間もコストも膨大にかかってくるので必ずしもベストプラクティスとはいいきれないのだ。
検索エンジンマーケティングが一般常識となったといっても過言ではない今日では、対策ワードの水平展開を行うことで活路を見出したケースも多く存在する。
ファッション系ECサイトを例にあげると、「ファッション通販」や「ジャケット通販」、「“ブランド名”オンラインショップ」というワードで対策することが最も有意義な方針とする傾向にあるが、上述したように、もうすでに競合サイトはこうしたワードで対策を進めている。
現に、上記のようなワードの検索結果には通販サイトがずらっと並び、同様のテーマ性を持つサイトに埋もれてしまっている状況となる。たとえ5位から3位に順位が上がったからといっても、絶大な対策効果を実感することはできないだろう。
では、対策ワードの水平展開はどのように進めればよいか。答えは非常にシンプルである。それは、洋服を買うという行為の後に存在するイベントを対策ワードとすることだ。つまり、洋服を買う目的は何なのかにフォーカスすることである。
たとえば旅行。国内旅行で考えると、季節の変わり目である10月から11月では京都へ紅葉を楽しみに行くためにダウンジャケットを探していたり、3月から4月では春らしい鮮やかな色のワンピースを探すユーザーも少なくないだろう。
10月から11月では「京都バス旅行」という検索ワードではダウンジャケットを探しているユーザーにリーチすることができ、3月は「“桜の名所”日帰り旅行」などの検索ワードで薄手のワンピースを探すユーザーにリーチすることができる。また、季節によって荷物(衣料)の量も増減するために、宿の予約と共に新しいバッグを探したりもするだろう。
実はファッションECサイトは、旅行業界のサイトが取り込もうとしているユーザーもコアなターゲットとなりうるのである。
検索結果リスト上で同じテーマを持つサイトに埋もれてしまうということがないため、同じような難易度であれば“ファッション通販系ワード”で直球勝負をするよりも、“旅行系ワード”で対策をした方が得策である。
もちろん従来のバーティカル(垂直)マーケティングも重要だが、競合サイトとの顕在層取り込み競走に力点を置く戦略でなかなか成功できなかったサイトのご担当者には、比較的ニーズの顕在化している潜在層を取り込みにいくことを提案する。
ケータイ白書2010によると、2008年から2009年にかけての「ユーザーのコンテンツやウェブサイトの最も多い探し方」は「公式サイトを辿って」と回答したユーザーが減少している一方で、「検索サイトで検索して」と回答したユーザーは増加している。
こうした傾向は少なくとも2007年以降変わっておらず、モバイルSEOの重要性は年々増す一方であり、筆者の意見として、この取組みは必須である。
アウンコンサルティング株式会社
1998年6月設立。1999年、日本国内でいち早くSEOを事業化。コンサルティングファームとして、検索エンジンマーケティング(SEM)の認知向上と市場の拡大に尽力し、上場企業を中心に多くの企業のマーケティング戦略を支援する。得意とするPCおよびモバイルのSEM支援で蓄積したナレッジを背景に、SEMを自社運用する企業向けのサービスも開始。米国、中国等に進出する日系企業の海外マーケティング支援も行うなど活動の幅を広げている。2005年11月東証マザーズ上場。絶えず変化するモバイルマーケティング動向を読み解き、最新のモバイルSEOおよびSEMを解説。「モバイルSEO&SEM Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。」
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