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アジアシフトするIT先駆者

ウェブメディア制作「CINRA」がアジア展開を強化--杉浦代表の手応え

2016/01/23 10:00
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 ウェブメディアの制作運営などを手がけるクリエイティブカンパニー「CINRA」は、2015年6月に旅行ガイドサービス「HereNow (ヒアナウ)」をリリースし、日本、シンガポール、台湾などアジア領域でのサービス拡大を進めている。「目指すのは、2020年までにアジアのクリエイターとのコネクションを最も持つ存在になること」と語る、同社代表の杉浦太一氏に、アジア展開の感触とビジョンを聞いた。

CINRA代表の杉浦太一氏
CINRA代表の杉浦太一氏

2020年には日本を代表するクリエイティブ企業に

——はじめにCINRAの事業内容について教えてください。

 弊社は社員40人ほどの制作会社で、企業や行政のウェブ制作などの受託事業と、カルチャー情報を配信する「CINRA.NET」などの自社メディアの運営をしています。最近の実績としては、早稲田大学のウェブサイトのリニューアル、森ビルと共同運営のウェブメディア「HIP」や、経済産業省との観光情報サイト「100 Tokyo」などの制作運営があります。

 社会全体のグローバル化や東京オリンピック・パラリンピック開催に伴うインバウンド効果もあり、官民ともにウェブメディアの制作やウェブプロモーション活動が活発になっています。特にウェブコンテンツを制作する編集者やライターは、業界全体では人手が足りず困っているほどです。

「CINRA.NET」
「CINRA.NET」

——そうした国内でのクリエイティブ需要をどのように捉えていますか。

 現時点だけを切り取ると内需は高まっていますが、先を考えると他業界と同様に厳しくなるでしょう。たとえばウェブ広告ですが、以前は数千万円をかけて制作するようなインパクトのある広告が主流でした。しかし、いまは一時の話題性よりも製品や企業にまつわるストーリーを継続的に伝えることで、顧客と信頼関係を築く手法が好まれています。

 こうした背景から、オウンドメディアやコンテンツマーケティングが生まれていて、とにかくコンテンツを量産しなければいけない状況になっている。制作側は仕事が増えてうれしいけれど、日々大量に生まれているコンテンツや媒体が本当に企業の課題を解決しているかは疑問です。恐らく、いまは過渡期で、2017年あたりから経営判断として作ったメディアをクローズする企業が増えてくるでしょう。

 弊社としては、将来性のあるメディアの制作運営に携わりながら成果を出していきたいと思っています。同時に、内需のある2020年までに海外展開を進め、2020年以降には、グローバルに強いクリエイティブ企業になっていることが重要だと考えています。

受託制作でのシンガポール進出は難航

——アジア進出のきっかけを教えてください。また、その手応えは。

 国内市場の先行き不安や私自身の海外志向もあって、2013年4月にシンガポール拠点を構えました。そして始めの1年間は私が駐在し、地場企業にウェブ制作の提案など営業活動を始めたのですが、想像以上に日本のクリエイティブが国際社会で相手にされていないことにショックを受けました。

 シンガポーリアンは外国人に対してとてもオープンで、日本食や伝統文化も人気があるため、すぐに親しくなることができます。しかし、ビジネスとなると急に門を閉ざす。日本の文化やモノづくりに好意的ならば、クリエイティブやデザインにも少しは価値を感じてくれるのではと期待していたのですが、とにかく結果重視。日本式営業のご挨拶訪問や挨拶メールも通用せず、用件だけ示せという世界です。国際ビジネスの厳しさを痛感しました。

——海外進出をしている日系企業にアプローチすることもできます。

 海外での日系ネットワークの開拓もある意味では大切ですが、それでは真のグローバル展開とは異なるのではと思い、私はほとんどしませんでした。それで地元企業にアプローチしたのですが、全く相手にされない。次第にわかってきたことですが、シンガポールは中華系人口が多数を占めていることもあり、ビジネス界においても欧米的な成果主義だけでなく、中華系ネットワークの影響も強く、そこに入り込むことが鍵となります。現地ならではの業界の仕組みを知り、積極的に踏み込んで行くことが大切だと感じました。

 また、そのときには、自社の強みを棚卸しし、しっかり意識しておくことがとても重要になります。日本での実績は通用しない。海外での厳しさを体感したことで、弊社のコアな価値とは、クリエイティブの実績ではなく、自社が持つ情報量や情報に対する目利き力だと気づくことができました。

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