投資効果と思考力の調和で勝負するアイレップのSEMストラテジスト

鳴海淳義(編集部)2008年02月05日 19時20分

 インターネット上の情報にアクセスする際に、検索エンジンは欠かせない存在となった。企業が発信したい情報が、しかるべきキーワードで検索結果に表示されなければ、インターネットユーザーへリーチできているとはいえない。

 検索エンジンにとって読み取りやすい形でコンテンツを提供する、そのコンテンツがユーザー間で共有されやすい状態を作る、検索結果からのランディングページを最適化する--サーチエンジンマーケティング(SEM)と呼ばれる事業は日々進化している。

 このようなテクノロジー志向のマーケティングに強みを発揮するのがアイレップだ。SEMを専業とする企業のなかではトップクラスの売上、成長率を誇る。

 同社の事業は大きく分けて2つ。主にSEMを提供するインターネットマーケティング領域と、そのマーケティングノウハウを活かして特定産業でのマーケティング支援を行うバーティカルマーケティング領域だ。

 PC向けSEMでは、リスティング広告とSEOを柱に、ランディングページ最適化(LPO)やウェブ解析、ディレクトリ登録サービスを提供する。また昨今注目を浴びているモバイルの分野でも同様に、モバイルリスティング広告とモバイルSEOサービス、モバイルLPO、モバイルウェブ解析サービス、モバイルディレクトリ登録サービスを展開する。

080206_irep1.jpgアイレップ 執行役員 管理本部総務・人事グループ グループマネージャー 永井敦氏

 「2007年は愚直にSEMを追求していった年だった」と総務・人事グループの永井氏は振り返る。オーバーチュアのリスティング広告プラットフォームがプロジェクトコード「Panama」に移行した点を挙げれば、SEMはよりユーザー志向になったといえる。

 単純に入札価格が高ければ検索結果の上位に広告が表示されるというスキームから、いかにユーザーにとってメリットを与えられるか、広告そのものの内容が重要視され始めた。

 「SEOに関しても、リンク資産に関する論議があり、外部サイトからSEO目的のみのリンクを有料で張ってもらうというモデルに対して警笛が鳴らされた。当社では、このような行為をSEOと呼ぶのではなく、ウェブサイトをいかに検索エンジンに認識・評価されやすい状態にするかをSEOと考えている。それをお客様と一緒に体現して進めてきた」と永井氏は語る。

 現在のところはインターネットマーケティング事業が売上のほとんどを占めるが、バーティカルマーケティング事業も存在感を示しつつある。2002年より第一号案件としてシニアマーケティング「あいけあ」を展開し、2007年には新たに「総合住宅展示場」というサイトを買収。住宅メーカーといわゆる家を買うユーザーをマッチングするビジネスを開始した。今後も第3号、第4号と、バーティカルマーケティング領域を拡大していく方針だ。

 参入できそうな特定領域を探して、そこにメディアを作ってマッチングしていくという形でビジネスを進めていくのが基本だが、サイトを一から作る場合もあれば、M&Aで既存の資産を手に入れることもある。

 あいけあ事業は2007年には別会社としての基準を満たし、10月に株式会社あいけあを設立したところだ。人材紹介ビジネスも加わって、成長の確度が高まってきたという。

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