アップル「iPhone 7 Plus」試用レポート--本当によいカメラが欲しい人のためのiPhone - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2016年09月20日 07時00分

デュアルカメラの実力は?

 このデュアルカメラは、レンズが突き出るタイプのコンパクトカメラのように、実際にズームするわけではない。その代わりiPhone 7 Plusでは、広角カメラと2倍の望遠レンズを切り替えて使う。そこからデジタルズームを行うため、iPhone 7が5倍ズームまでなのに対し、こちらは10倍までズームできる。動画の場合は6倍までだ。

 デジタルズームは以前より改善されているが、倍率があまり高いと、やはり写真はぼやけ、ノイズも多くなる。残念ながら、そこには限界がある。しかし、2倍の光学ズームが追加されたことで、写真のフレーミングは随分楽になった。筆者自身も、多くの風景写真ががらりと変わったのを感じた。


提供:Scott Stein/CNET

 筆者はブルックリンを歩き回り、その後ニューヨークジェッツの開幕試合を安い席から観戦した。細部を失うことなく試合の様子をクローズアップできるようになったのは、大きな変化だ。首に大きくて重いカメラをかけて行かなくても、これだけの写真が撮れるのだ。

 また、このカメラは低光量下での画質もiPhone 7と同じであり、6Sや6S Plusよりも改善されている。

低光量下での画質''
低光量下での画質も改善された。
提供:James Martin/CNET

プロの写真家の評価

 ただし、これは明確にしておきたい。このスマートフォンは、デジタル一眼レフカメラを補完する、極めて持ち運びやすいデバイスだが、AppleはiPhone 7 Plusがキヤノンやニコンの代わりになるとは言っていない。

 それでも、普段から一眼レフカメラを使っているJames Martin氏にとっても、iPhone 7 Plusで撮影した写真には、評価すべき点がいくつもあったという。

 新しいセンサーは、幅広いレンジの色を捉える優れた能力を備えており、色の違いもよく捉えられている。エッジがぼやけたり、色が交じったりすることもなく、ピクセルは明瞭で、発色はシャープだ。ホワイトバランスもiPhone 6S Plusと比べて目に見えて改善されており、画像は実際の場面を忠実に表現している。

 iPhone 7 Plusは黒を強調してハイライトが隠れてしまったり、ハイライトを強調しようとして黒が表現できなかったりするもことなく、明暗や色の濃淡を幅広く捉える能力を持っている。このセンサーは多くの情報を記録することができ、暗い部分や明るい部分でも情報を失うことがない。iPhone 7 Plusは色が濁ることもなく幅広い色を捉え、しかも暗い部分や明るい部分も繊細に表現することができる。

 ではMartin氏は、2016年前半で最高のカメラを搭載したサムスンのGalaxy S7とiPhone 7 Plusを比較して、どう感じたのだろうか?

 多くの意味で、iPhone 7 Plusで撮影したイメージが持つ「リアルさ」は、サムスンのGalaxy S7のカメラとは、いい勝負だと言える。個人的な意見では、Galaxy S7は多くの場合、カメラで撮影しただけで、より魅力的なイメージを生み出すことが多い。写真は明るくハッキリとしており、絵画的と言っていいほど画面が鮮やかだ。Galaxy S7の写真は素晴らしいが、「リアルさ」では間違いなくiPhone 7 Plusに軍配が上がる。わたしの考えでは、iPhone 7 Plusの写真が高品質な写真のイメージだとすれば、サムスンのGalaxy S7の写真は「デジタル」なイメージだ。

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