What's Ingress ?

新生Nianticが「Ingress」をベースに挑むアドベンチャー--川島氏、須賀氏インタビュー - (page 2)

別井貴志 (編集部) 井指啓吾 (編集部)2015年09月18日 12時00分

川島氏:企業理念や哲学的な部分は、独立後も変わりません。ミッションである「歩いて冒険をすること(アドベンチャーズオンフット)」を追求していきますし、Ingressに対しても、まったく変わらずに開発投資を続けていきます。

 Pokemon GOの発表もありましたが、そういったさまざまなパートナーと共同開発することも拡張していきます。それにともない、プラットフォームビジネスも前進させていきます。

 Ingressで培った技術、ポータルの情報を生かして何かを作る――Pokemon GOはその最初の一歩です。これからも引き続き、いろいろなものが出てくるのではないかと期待しています。

--2015年後半に開始する予定の「Endgame:Proving Ground」の状況は。

川島氏:独立にともない、スケジュールに変更が生じてはいます。さまざまな変化の中で、しっかりリリースするために、どのような方法があるかを議論しながら模索しています。リリースのめどについては、ノーコメントです。


-- 一方でIngressは、コミュニティの規模が広がり、イベントも増えてきました。直近のムーブメントをどう見ていますか。

須賀氏:大きな特徴が2つあると思っています。1つは、エージェント(Ingressプレイヤー)がどんどん増えているため、従来のファン層とコアユーザー層のもう一段階上の方々もプレイしてくれるようになったこと。エージェントの集まりに顔を出してみても、今までと違う属性の方が増えてきて、古くからのエージェントと、始めたばかりのエージェントが交差して、新しい形のコミュニティが生まれていると感じます。

 もう1つは、地方自治体の取り組み。横須賀市、岩手県の取り組みから始まり、どんどん加速しています。

 先日、どの自治体からお問い合わせをいただいたかをプロットしてみたのですが、ほぼ全国をカバーしている状態でした。我々のリソースの問題で、すべてにお返ししきれていないのですが、今は30くらいの地方自治体からお問い合わせいただいていて、一緒にイベントを開くなどの取り組みを進めています。

川島氏:ユーザー数の爆発的な伸びに驚きつつ、しっかり対応すべく努力しています。これから、ユーザー層がまた変化すると思います。たとえば、Pokemon GOを発表した結果、Ingressに興味を持つ人が新たに増えたり、逆に、すでにIngressをプレイしている人がポケモンに興味を持ったりすることもあるでしょう。そのようにして、これからユーザー層がどんどん変わっていくと思います。

 自治体や企業からのご提案の質は、どんどん高まっています。日本テニス協会も、クオリティ、本気度が違う。そういう風に、Ingressに関わってくれるスポンサーやパートナーの方々から「こういう取り組みができるのではないか」とご提案いただけていることが、本当にすごいと感じます。

須賀氏:ちなみに、地方自治体以外の団体や企業からのお問い合わせも非常に増えています。たとえば、先週開かれたアート展「TodaysArt.JP 2015」で啓示の夜のパワーキューブを展示したり、日本テニス協会による特別なミッションを用意したり、コラボレーションの領域がどんどん広がっています。

 Ingressの「人をどこかに連れていくパワー」が認知されてきたと感じます。Ingressだけではなくて、我々が提供するほかのゲームや、他社が提供している位置情報系ゲームによって、拡張現実の世界がこれから広がっていく――我々はその先陣を切れたかなと思っています。


--自治体や企業では、その組織の中に熱いエージェントがいて、そこから取り組みが始まることが多いようですね。直近の日本テニス協会などもそうでしょうか。

須賀氏:それに近いですね。我々が最初に見るのは、コラボレーションする企画などが「エージェントに楽しんでいただけるものかどうか」。お問い合わせをいただいた時に、「エージェントですか?」と必ずお聞きしています。そこで「いや……」と返されると、とりあえずエージェントになってください、といった感じでお話しさせていただいています。おこがましい限りですが「とりあえずレベル8になってからで」と……。

川島氏:けっこう敷居が高いよね(笑)。

須賀氏:やはり、エージェントが不満に思うようなコラボをしても仕方がない。エージェントはもちろん、我々のためにも、パートナーさんのためにもならない。それを考えて、かなり厳しくしています。日本テニス協会の場合は、もともとエージェントだった方と企画を作り上げたパターンでした。

--Ingressは、コミュニティをめちゃくちゃにするようなネガティブな人は少なくて、ポジティブな人たちが集まって、ガチに取り組んでいるように感じます。あらためて、その魅力は何なのでしょうか。

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