以上は、人の作品や肖像をソーシャルメディアに載せる場合でした。では、自分自身のつぶやきを人に利用された場合はどうでしょうか。もちろん、皆さんが撮った写真や作った映像を誰かが勝手にアップしたというなら、上の例と立場が逆になっただけで、同じことですね。引用などにあたらないなら違法ですから、皆さんはクレームすることが出来ます。
でも、皆さんのつぶやきはどうなのでしょう?たとえばTwitterの140字のつぶやきは著作物でしょうか。これは、十分あり得ます。もちろん、「朝からラーメン二郎マシマシなう。」などは無理です。「無理」というのは食べきれないという意味ではなく、著作物というには短すぎるという意味です。しかし、31音の短歌でも十分著作物になるくらいですから、140字あれば著作物の資格は十分です。となると、人がそれをRT(リツイート)する、あの行為はどうなのか?
このRTですが、皆さんの発言がそのままの姿で拡散される「公式RT」と、他の人がコメントなどを添えてツイートする「非公式RT」がありますね。公式RTは、実は利用規約で正面から皆さんが認めている行為で、どちらかと言えば皆さんが公開しているつぶやきがそのまま紹介された、といった性質のものです。ですから問題はない(=文句は言えない)でしょう。これに対して非公式RTはもう少し微妙ですが、意味さえ曲がらず、最初の発言者のアカウントも出てるなら、ほぼOKという慣例のようなものはあると思います。
では、いわゆる「パクツイ」はどうか?つまり、人のつぶやきをコピペして完全に自分の発言のようにつぶやいてしまうケースですね。仮に元のツイートが著作物といえるほど長いものならば、された側も不愉快でしょうし、恐らく著作権侵害としか言いようがないでしょう。
ならば、人のつぶやきを集めた「まとめ」はどうか?例えば、それぞれのツイートがリンクで原型のまま集められているなら、多分違法ではないのでしょう。ただし、時折、人々の関心を惹きたくて、あえて意味を曲げて煽るような編集をしている「まとめ」も見ます。言うまでもなく、名誉棄損や業務妨害といった犯罪にさえあたる可能性は十分ですので、まとめるならば責任をもって正確に、となります。
さらに、Twitterのつぶやきは、テレビなどのマスメディアで転載自由だということをご存じだったでしょうか。Twitterが「ガイドライン」を出していて、自由にテレビ・ネット番組・オンライン販売などに使って良いことになっています。通常は転載されてもうれしいだけなので、問題はないでしょうが、たとえば不用意な発言をしてそれをネット番組で晒されたり、何気ない一言がアカウント込みで人の商売に使われると、ちょっと不安ですね。発言内容には、気をつけましょうということです。
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