Web 2.0の周辺から本質を探る
Web 2.0の議論は突き詰めていくと、インターネットのみを範囲としなくなってゆく。とはいえ、うまく橋渡しをしている人がいるわけでもないため、「では、これを読めば良い」と分かりやすいものを提示しにくい。ひとまず近しいものを幾つかご紹介したい。
■mediologic.com/weblog:ブログ、ブログ、と騒がれるが、これはちょっと見習いたい
広告、コンテンツ系ではあるが、非常にWeb 2.0的なコンテクストを含んでいる。プラットフォームを提供しても結局その先誰かが使っていかないことには何も生まれない。その「使ってもらえることとはなんだろう?」と意識しつつ読むとヒントが多い。
例えばXbox360のプロモーションサイトJump-in.jpについて触れたこちらのエントリ
ブログという“手段”が先に来て、マーケティング・ゴールはどこなのか?などなどが不在、っていうケースがほとんど。流行って怖いよね。みんな同じ方向に向いちゃうし、簡単に釣られちゃう。「本質は何なのか?」をつかまないと全く意味が無い。
でもね、この Xbox360 のサイトについては、必ずしもブログではないけれど、ブログ的な要素(=他ブログとの連携、TrackBackなど)を持っている点で「本質的にブログ的」なサイトになっている。
ユーザーがコンテンツを作る、CGMと一言で片付けるのでなく、その先にあるものということで書かれたUnauthorized Ad は広告会社のクリエイターが優れていることの証。の
Polo にしても iPod にしても、広告会社のクリエイターが作った「クリエイティブ・フォーマット」に載っていて、それがあるから「それは***のパロディである」ってわかるわけだし。
という発言など。これらは、インターネットビジネスだけを見ていても出てこない視点。しかし、世の中は業界の都合で分かれているのでなく、全ては一続きとして動いている。この当たり前の事実からスタートすると、もしかすると自分は大事な何かを見落としているのではないかと訪れる度に再認識する。
■Many-to-Many:Social Software Critic(英語)
元々は、ソーシャルソフトウェアについて語るべく作られたグループブログ。しかし、Web 2.0とは何かと突き詰めていくと中間のプラットフォームの役割の再定義が含まれることになる。ユーザーにとって使いやすい、基盤的な働きをするのはどういうソフト・サービスになるのか。
サンプルを出すのがなかなか難しいところではあるが、例えば最近のこのエントリの
A slew of social software startups have arisen as of late, and while we don’t cover the news here, it’s a good time to be a culture critic.
という冒頭書き出しを読むとソーシャルソフトというテーマと積み上げられてきたエントリ群を再評価したくなる。
■A VC:Point Solutions vs End to End Solutions(英語)
■A VC:The Starbucks of the Internet
ファイナンス、ベンチャーキャピタル系も1つ。特化してWeb 2.0に触れたものではないが、ベンチャー投資の現場の意見から近い議論を日々連ねている。これくらい視点をフラットにして触れているくらいが実は参考になる。メディア、ソフトウェアからインターネットサービスまでカバーする範囲は多い。
インターネット全体のトラフィックとアーキテクチャーの変化を端的にまとめたこの2つのエントリについては、OCNのブログ人の立て役者である河村明さんとも議論をしたがサービス提供者側の希望とユーザー側の希望が必ずしも一致していない点など面白い論点を幾つも含んでいる。
■John Battelle's Searchblog(英語)
サーチ領域を集中的に見ている代表例となるJohn Battelleのブログ。Bloglinesに登録している人の数が3800を越えるなど個人ブログというよりは既にメディアの域に達している。また、Web2.0という言葉の発生にも大きく関わっている人物となる。ひとつふたつサンプルを抜いてもあまり意味はないので、読むのなら順に、日々綴られる大量のエントリに負けずについていくことをお勧めしたい。邦訳された著書「ザ・サーチ」も注目。
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