2005年の私家版チェックリストを作る

 いよいよ新学期も始まった。キャンパスではガイダンスや健康診断、サークルの勧誘活動など、昨年の春と同じ風景が広がっている。学校という場所は変化を見つけるのが難しい場所でもある。学生こそ入れ替わっているものの、季節と行事などのサイクルは大きく変わらないし、授業だって基本的には昨年と同じものがラインアップされていて、そこまで大きく変わることはない。

 だからこそ、学生の変化、ネットやケータイの使い方の移り変わりみたいなモノをモニタリングするのにはちょうど良い環境であるともいえる。2005年度のキャンパスで何が起こるかと考えたときにキーワードとなるのが「想像によるチェックリスト」だ。つまり「○○の未来は今後こうなるだろう」とひとしきり考えて、それをアーカイブしていくという作業である。

 というのも、こういった想像や予想が、意外に何らかの形で当たることがあると思うからだ。別に僕が趣味で占いをやっているというわけではないし、ただ無責任に言い放つだけだけれど、当たるか外れるかはともかく、将来どうなるかを予想してチェックリストを作っておくのは面白い。

 3月の末に僕は研究室の自席を引き払うための片づけをしたり、パソコンのハードディスクに置いてあるファイルをDVDに焼いたりしていた。なかなか腰が上がらず、取りかかりは毎回遅いものの、やり始めれば、僕も片づけは好きなのか凝ってしまって時間をかけてやろうとする。

 単純に物を片づけるだけならすぐに終わりそうなものだが、ついついそこにある本をパラパラとめくってみたり、過去のメモ書きやパソコンのファイルの中身を見ながら片づけたりするので、単純作業の2倍以上時間がかかってしまう。しかし宝物のようなモノと出会うこともある。例えば過去にメモしたり記録したりして保存した資料なんかがそれだ。

 僕は日常使っていた手帳やメモを1998年ごろの分からすべて残してある。好きで使っているのは、A4サイズで方眼が入っているノートだ。インターネット上のブログやパソコン上のアウトラインプロセッサやテキストエディタなど、お気に入りのテキストツールを一揃いにするまでは2〜3カ月に1冊のペースでノートを使っていたが、最近では半年に1冊程度の頻度に落ちている。手書きしていたものがデジタル化されつつあるという証拠かもしれない。

 デジタル、アナログで残されていた過去のメモや資料を整理していると、ケータイの未来を予想するというディスカッションメモが出てきた。自分で過去に書いたものながら、これがまた興味深い。未来になるとどんなケータイが出てくるかという後輩とのディスカッションから出てきたアイデアには、「ゴルフスイングが練習できるケータイ」「ヘルスチェックができるケータイ」「複数台で5.1chサラウンドができるケータイ」「着臭」「空気を読むケータイ」などがあった。

 1年〜半年前のメモにあるアイデアの中には、驚くべきことに現在既に商品化されているものがいくつかある。例えばゴルフスイングができるケータイというのは、ケータイを振ることで操作ができる端末としてシャープから発売されていて、内蔵されているアプリケーションでゴルフゲームを楽しめる。また、ヘルスチェックができるケータイというのも、歩数計を搭載した端末が富士通からリリースされている。

 例えばヘルスチェックについては、歩数計だけでなく血圧や血流、心拍数なども含めてチェックするというよりつっこんだアイデアだったし、ゴルフのスイングも、それ専用の機能というよりは振るというインターフェースを追加することで実現したアプリケーションのひとつだった。完全ではないが同様の機能が実現されている様子を見ると、「未来のケータイはこうなる」という予想が的外れではないことが分かってくる。予想が浅かった、甘かった、とはいえるかもしれないけれど。

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