早くもささやかれ始めた米ヤフーの「トップ交代説」

坂和敏(編集部)2006年11月30日 14時54分

 Googleの絶好調ぶりと対照的に、いろいろな面で低迷が続く米Yahoo。同社が抱えるさまざまな問題については、10月にお伝えした通り(「米ヤフーの「内憂外患」--グーグルとの差は「開くばかり」か」)だが、この記事が出た(前回の決算発表時)のとほぼ同じタイミングで底を打った株価(1株22.65ドル)の回復についても、Gawker MediaのNick DentonValley Wagブログで、「一部のヘッジファンドなどによる買いが大半を占めている」との噂を明かしていた。

 また、その後YahooのBrad Garlinghouseという経営幹部が記した社内向けのメモ「Peanut Butter Manifestoピーナツバター宣言)」がWall Street Journalで公開されるなど、同社が内外から大きな変革を迫られていることがすこしづつ浮き彫りになってきていた。

 米国時間11月29日付けでBarron's Tech Trader Dailyのブログ「Who Will Be Terry Semel’s Successor?」が取り上げた話題は、この延長線上にあるものといえよう。このブログのネタ元にあたるEric Jacksonという人物の書いたブログエントリ 「Laying Odds on Semel's Successor for the Corner Cube at Yahoo!」では、現CEOのTerry Semelの後継者候補がピックアップされ、それぞれにオッズが与えられている。

 候補のなかで一番有力なのは、現CFOのSusan Decker(3対2)。その後にやはりインサイダーのDan Rosensweig(現COO/オッズは4対1)が続くが、ほかにもGoogleのShona Brown(オッズは10対1/McKinsey出身のこの女性は、Fortune誌の特集記事「Chaos by design」で大きく取り上げられていた)や、同じくGoogleのMarissa Mayer(オッズは10,000対1/検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当のVPであるこの女性も、以前BusinessWeekの記事で「(同社の)Champion of Innovation」として取り上げられていた)、 それに先ごろAOLを去ることになったJonathan Miller(オッズは45対1)やMillerと行動を共にしたJason Calacanis(Weblog Inc.創業者/オッズは185:1)、さらに共同創業者のJerry Yang(50対 1)の名前も挙がっている。

 10人の候補者リストの最後に「Peanut Butter Manifesto」を書いたBrad Garlinghouse(「チャンスはゼロ」だそうだ)の名前があることからわかるように、このリストは明らかに「口さがない茶飲み話」のひとつに過ぎないはず。しかし、現経営陣が大胆な組織改編や大幅な経営方針の変更を発表しない限り、こうした話は今後も出続けるだろう。29日には、主に携帯電話ユーザーをターゲットにした新サービス「mixd」を公開したYahooだが、はたして今後どういった方向に重点をシフトしていくことになるのだろうか・・・まだその答えは見えてこない。

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