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「ロングテールは本物でも、儲かるのはオレたちだけ」−AOLトップの腑に落ちない言い分
「ロングテール」というコンセプトを提言したWired誌編集長、Chris Anderson氏については、以前にインタビュー記事(「ロングテール理論」の提唱者クリス・アンダーソン氏に聞く)でも紹介したことがある。そのAnderson氏の著した書籍の日本語版(「ロングテール−『売れない商品』を宝の山に変える新戦略」:早川書房刊)が先ごろ発売になった。いま、この日本語版を読んでいる最中で「いろいろとためになることが書いてあるなぁ」と感心していた矢先に、「AOLのCEOが『今後も既存の大手メディアが市場を支配続ける』と発言」というちょっと気になるタイトルの記事をNews.comで見つけた(オリジナル記事のタイトルは「AOL chief: Established media to dominate」)。
米国時間27日に始まったMIT Technology Review主催のEmerging Technology Conferenceで、AOLの会長兼CEO、Jonathan Millerが講演を行った。上記の記事はこの講演の模様を伝えたものだが、リードの部分には以下の記述がある。
"Despite the explosion of new players creating and distributing content on the Web, established media companies will gain the lion's share of the money, said AOL Chairman and CEO Jonathan Miller at a conference here Wednesday."
つまり、ロングテールやCGMといった言葉で指す現象がこれだけ盛り上がるなかで、「コンテンツの製作や流通にどれほどたくさんの新規参入者が出てきたとしても、儲けのいちばん美味しいところをいただくのは、オレたち既存の大手メディア企業だ」ということになる。Millerといえば、もともと「クローズドな世界」だったAOLをオープンにし、広告収入主体のビジネスに切り替える英断を下した人物だと記憶している。そんな彼がこういう考え--いまどきとしては比較的少数派と思える考えを持っているのはどうしてか?。その根拠を見つけようとさらに記事を読み進めていったのだが。
しかし、具体的な根拠として「ここだ」というものが見つからない。それらしき箇所と思えるのは、ただひとつ--「膨大な量のコンテンツを集約するアグリゲーターはいまだに必要」であり、「AOL、Google、Microsoft、Yahoo、AppleのiTunesなどがそうした役目を担う」ことで、コンテンツの配信から利益を得る(「Yet despite the fact that more people can easily create and distribute content, established online media companies are the ones monetizing content distribution, Miller said..."There is still a need for aggregators," Miller said, naming AOL, Google, Microsoft, Yahoo, and Apple with iTunes.」)というところだけだ。「なぜ自社や他の競合サービスがそれぞれそういう形でお金を儲けられるのか?」という点についての説明は出ておらず、話は「広告あるいはペーパービューのビジネスモデルを通じてオンラインのコンテンツ(配信)からお金を儲ける上で、大手企業は有利な立場にある("Large companies are in a better position to make money from online content through advertising or pay-per-view business models"」というMillerの発言に移ってしまう。ちなみにMillerの予想によると「今後も新たなプレーヤーが1、2社加わる可能性はあるが、今後も市場を支配し続けるのは既存のオンラインメディア企業だ」ということだ。
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