電子メールは衰退するのか--取り巻く現状と生き残る道 - (page 2)

文:Alex Iskold
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年07月07日 07時00分

電子メールに対抗するコミュニケーションツールの登場

 電子メールは、最初のウェブのキラーアプリケーションであったため、あらゆることに使われている。私たちは今、分裂サイクルにあり、情報を回し、物事を成し遂げるもっと良い方法を見つけ出そうとしている。

 電子メールは基本的に、大量の1対1のコミュニケーションが得意だ。以下のを見れば、電子メールが競争に直面している理由がわかる。電子メールはスパムを除くブロードキャストを有効にサポートできず、仕事やプロジェクトの支援は未だに不得手だ。

Breaking Down Email

 37Signalsの「Basecamp」「Highrise」のようなツールは、電子メールの情報を活用しながら、より良いプロジェクト管理、CRMを行う方法があることを示している。Twitterのサービスが安定すれば、簡単さと楽しさから、永久に人々を取り込む可能性が高い。

 ソーシャルネットワークは、ダイレクトメッセージ、チャットを取り入れており、人々は簡単に、電子メールを使わず直接話すことができる。これらのコミュニケーションは電子メールよりも簡単で、流れに組み込まれ、よりアクセスしやすくなっている。とはいうものの、これらは短いメッセージを目的としている。

 日常生活のスピードが速まり、世界のつながりが強くなっていることから、長い電子メールの必要性は減少している。より頻繁に連絡をとるようになれば、1回の会話の量は少なくなる。短いよりも頻繁なやりとりが、これまでの長いコミュニケーションに代わりつつある。

企業は安全な避難先か

 たとえ個人が電子メールから離れていったとしても、企業が電子メールから離れるとは考えにくい。Microsoftは見事に市場を獲得し、「Exchange」サーバなしには企業が機能しないようにしている。典型的なプロプライエタリのブロートウェア(余計な機能だらけの重いソフト)であるExchangeとOutlookがすべてを処理する。企業がすぐに電子メールから離れていくことはなさそうだ。

 同様に、今後は2つの傾向が見られるだろう。まず、Googleは今後も自らの解決法を支持し、うまくいけば、さらに求められているシンプルさを電子メールにもたらすだろう。

 第2の傾向は、電子メールの操作に必要な機能を減らす、よりシンプルなプロジェクト管理ツールだ。問題は、電子メールの内容を効果的に活用して、自動的に仕事、イベント、連絡先などを生成できるよう、プロジェクト管理ツールを電子メールにシームレスに統合する必要があることだ。

結論

 電子メールは数十年にわたって人気を博し、インターネットのキラーアプリケーションであり続けていたが、市場を独占してはいない。新しい、より状況に適したコミュニケーション方法が登場し、特に個人ユーザー市場で電子メールのパイを奪っている。

 個人ユーザーは電子メールからよりコンパクトなコミュニケーション手段に移行すると思われるが、企業では、電子メールの支配力が強く、すぐに取って代わられる可能性はなさそうだ。

 あなたは電子メールの未来についてどう思うだろうか。あなたのコミュニケーションパターンはどのように進化しているのだろう。電子メールよりも好ましいコミュニケーションツールは何だろうか。

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