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AmazonのHaaS(Hardware as a Service)戦略「勝ち組」の決め手はどこに? - (page 2)

文:Emre Sokullu 翻訳校正:吉井美有 2007/11/13 08:00

Amazonはハードウェア面でGoogleの例に続くか

 HaaSのインパクトがどの程度のものかを知るには、次のような質問を考えてみるといい。「情報発信側はGoogle AdSenseと同じパターンで振る舞い、より断片化した、効率的なハードウェアを選択するだろうか」もし利点が明らかであれば、Amazonのサービスを採用しない理由はない。しかし、このプロセスを遅くし、あるいはこのプロセスの妨げにさえなるかもしれない違いがいくつかある。

  • Amazon S3とEC2はGoogle AdSenseほど伝染力が強くない。Google AdSenseはインターネット中に広がっており、どこに行ってもGoogle Adsを目にするし、自分でも試したくなる。Amazonのサービスはバックグラウンドで働くものでユーザーには見えないため、特に伝染力が強いとは言えない。ただし、Amazonはこの製品の伝染力をより強めることができるかも知れない。例えば、Amazon EC2を利用していると広報してくれるウェブサイトには割引料金を適用するなどのことが考えられる
  • 既存のインフラをAmazonのS3とEC2に切り替えるのは難しい。一方で、Google AdSenseは単にコピーアンドペーストで始めることができる
  • EC2の価格設定は直線的に上昇するモデルをとっており、大規模なサイトのオーナーは魅力を感じない。Amazonは大規模なウェブサイトとの契約で値引きをし、他のサイトに影響を与えることを考えるべきだ

 NASDAQに上場した最初の仮想化ソフトウェア企業であるVMWareの業績は上々であり、これはHaaSの潜在力を示しているということも指摘しておくべきだろう。AmazonのEC2は直接的には仮想化の代替品にはならないが、インターネット越しに非常に効率的なハードウェアサービスを提供する可能性を持っている。

結論

 Amazonを観察するのは非常に魅力的なことだ。古きよきドットコム時代のEコマースサイトが、自分自身を変革し、新しく革新的なHaaS部門を持つテクノロジー企業へと姿を変えているのだ。Amazonは同社のスケーラビリティに関する深いノウハウと専門技能を活用して、ウェブパブリッシングをより簡単で安価なものへと変えようとしている。その結果は、Amazonに大きな価値をもたらすはずだ。

 Amazonが重心を移し、Eコマースサービス企業としてのDNAからかけ離れたところに参入するのはなぜかと考える人もいるかも知れない。この疑問に答えるために、次の表を見てもらいたい。これは、インターネット関連大企業の財務データを比較したものだ。

企業名売上純利益率(%)2006年間売上高(百万ドル)時価総額(十億ドル)
Google29.0210,604.92210
eBay18.865,969.7450
Yahoo9.966,425.6845
Amazon1.7710,711.0037

 2006年の年間売上高では、AmazonはGoogleよりも強く、他の企業を大きく引き離している。ところが、時価総額では4位に入るに過ぎない。これは、Amazonの業態がより伝統的なもので、ビジネスモデルの技術集約的な度合いが低いからだ。具体的には、在庫コストが売上純利益率を押し下げている。

 つまり、堅調を維持するために、Amazonは技術への投資を大きくしているのだ。これが売上純利益率の上昇に繋がる。

 HaaSがどのようにSaaSを補完していき、どのくらいのSaaS新興企業がインフラをAmazonのサーバファームに移すのかは、今後明らかになっていくだろう。また、GoogleとMicrosoftも、共にHaaSに注力していることも忘れてはならない。GoogleのDallesのサーバファームがその例だ。それでもなお、HaaSはAmazonに売上純利益率を向上させ、長期的な株価上昇の望みを与えてくれるものだ。

Read/WriteWebについて

Read/WriteWebは次世代ウェブの技術に関する話題を中心に扱ったブログ。

Richard MacManus氏が心惹かれた革新的なアプリケーションやサービスのほか、気になる製品のポジショニングや最新のウェブニュース、業界への洞察をつづっている。

筆者Richard MacManus氏について

独立系ウェブアナリスト兼コンサルタント。シリコンバレーの企業向けにリサーチや分析、製品開発支援を行う。

Web 2.0 Workgroupの共同創設者でもある同氏はCNETの姉妹サイト米ZDNetでも記事を執筆している。

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