今後買収の対象となるウェブ企業は？ - (page 2)

　Spock：Googleの成長と成功は歴然としている。これは新興企業が「検索」分野に参入しようとする場合、競争に生き残るためにはニッチ市場を選ばなければならないことを意味している。この理由から、2007年には特定分野の検索サービスが爆発している。1つの特定分野の検索サービスには人力検索があり、いくつかのプレーヤーがこの市場に参入して大きく報道されている。この典型のひとつがSpockで、これまでに最も多くの注目と批評を集めている。このステルス新興企業は、最近まで高いレベルの秘密を保って運営されてきた。潜在的な買収者は、人力検索分野への参入を考えるすべての大手検索エンジンだ。この分野の同様の企業には、ZoomInfo、Wink、ex.plode.usがある。

　おまけ Facebook：このソーシャルネットワークは注目を集めつづけており、猛烈な勢いで拡大している。この成長は、前例のない量の買収の噂と憶測を生んでいる。しかし、Mark Zuckerberg氏は繰り返しこの手の噂を否定し、買収が行われることはないと述べている。買収が考慮されるとしても法外な価格になるはずで、買収の可能性のある企業の多くを寄せ付けないだろう。Facebookは、みずみずしい人口動態情報のデータベースを見られるという点で、十分な資金を持つすべての大手インターネット企業にとって理想的だ。Yahooが買収の名乗りを上げる可能性が最も高いだろうが、GoogleやMSNがそうする可能性もある。

その他

　このリストに入る企業には、次のようなものがある。

• 37signals―この企業は売却には否定的であることを繰り返し表明しているが、あらゆる大手ASPがウェブアプリケーション制作企業（Basecamp、Backpack、Writeboardなど）に興味を持ちうる
• Cafepress―オンデマンドでカスタマイズされた製品を製作する同社は、どんなEコマースサイト（Amazon？）にとってもよい買収候補になるだろう
• Compete―Alexaのランキング方式への批判がこの新規参入企業の道を開いた。統計・分析分野に参入しようとする企業はみな同社の買収に興味を持つだろう
• Kayak―この単純な旅行検索エンジンは、あらゆるポータルサイトや古くなってしまった旅行サービスにとって素晴らしい買収対象となる
• LinkedIn―このソーシャルネットワーク企業は、非常に人気の高いビジネスプロフェッショナルやネット上で尊敬を受ける人々から賞賛されている
• Ning―Ningのプラットフォームは、自分でソーシャルネットワークを構築しカスタマイズすることを可能にするものだ。より多くのユーザに紹介されれば、広く導入される可能性がある
• Pandora―ソーシャル音楽推薦サイト。NBCによるLast.fmの買収が、この分野の可能性を示している
• SixApart―同社の親会社であれば、大手メディアプレーヤー（Yahoo？）に対し、（VoxあるいはLiveJournalで）個人ブログを提供することも、（Movable TypeやTypePadで）ビジネスブログを提供することも可能だ
• Yelp―本物の人々によるビジネスレビューサイト。情報ポータルサイトにはすばらしい追加になるだろう

結論

　品質の高い企業は少なく、近い将来のM＆A活動には目が離せない状況だ。トップ企業の多くは既に買収されてしまっているが、宝石もいくつか残っている。買収を考慮する際には、適合性と調和という2つの重要な要素を見逃すことはできない。もしその買収が企業のゴールと戦略に結びつかなければ、実行するべきではない。取引を強行しても、時間と貴重な資源（資金的にも人的にも）の無駄になってしまうかもしれない。それでも、賢明な買収はどんな企業のサービスにも深みを加える。MySpaceによるPhotobucketの戦略的買収がその好例だ。よくかみ合っており、筋が通っている。結局、これは簡単な判断だった。

　このリストに不足しているものがあるだろうか。あるいは、載せるべきでないものはあるだろうか。

原文へ