ソーシャルネットワークの拡大は二極化への道か--特化型SNSの行方を考える - (page 2)

文:Alex Iskold 翻訳校正:吉井美有2007年05月15日 08時00分

一般向けネットワークの追加機能

 次の質問について考えてみてほしい。

  • Facebookユーザーのうち何人がFlickrユーザーか
  • なぜFacebookユーザーはFlickrも使うのか

 最初の質問に対する答えは分からないが、2つ目の質問には答えることができる。FacebookユーザーはFacebook以外の写真を共有するためだけにFlickrを使っているのだ。1つのあり得るケースは、Facebookメンバーではない家族と写真を共有するというものだ。ただ、これはユーザープロファイルから明らかなことなのだが、大多数のFacebookユーザーはFacebookの写真共有機能を使っている。これをもう少し進めて考えると、忙しくてものぐさな学生については、彼らが両方の写真共有サイトを使う可能性は低いと思われる。従って、Facebookがこのにらみ合いに勝つ可能性は強い。これはイベントに関しても同じことが言える。他にもっとよいイベントサイトは存在するが、現在のFacebookの内容はユーザーにとっては十分満足できるものだ。

 一般向けのネットワークが特別な機能を持っているもう1つの例として、MySpaceが発表した明らかなDiggクローンを考えてみよう。ここでは、状況はそんなに明らかではない。まず、MySpaceのユーザーにとっては新しいことは新しいだろうが、彼らはDiggのユーザーと全く同じというわけではない。この件について結果を判断できるのはまだ先だが、滑り出しから判断するに今のところあまりうまくは行っていないようだ。

MySpace News

 この統合の問題は、これが単なるクローンだということだ。それに加え、これは人々が使いやすい形ではMySpaceに統合されていない。ユーザーは基本的に、違うサイトに移動することを強いられる。この機能は結果的にユーザーの流れの一部になっておらず、MySpaceはこの巨大なユーザー層を正しく活用することはできなかったように見える。成功のためには、統合は十分意味のあるものでなくてはならない。

意味のある拡大はどんなものか

 1回の統合がうまく行かなかったとしても、成功した統合は拡大のためにも既存ユーザーの維持のためにも潜在的に価値があることをわれわれは知っている。ここで、既存の一般向けソーシャルネットワークの持つ可能性をより広い視野で見てみよう。

Chart

 別の角度から見ると、ソーシャルネットワークにとって最も重要な尺度は収益だ。過去数年にわたって、これらのサイトは訪問者数を競うゲームをマスターし、今はその訪問者数を収益に変えられるという価値を示さなくてはならない時期にきている。これにはいくつかの方法があるが、もっとも大きなものは広告とアフィリエイトプログラムだ。上記の図を参照してもらえば、ソーシャルブックマークとソーシャルニュースに特化したサイトが興味深い位置にいる。これらは両者ともあまり技術的な複雑さがなく、直接的な(ただし限られている可能性もあるが)、テキスト広告の形による収益を持っている。

 Last.fmやその他の音楽ソーシャルネットワークは技術的に他よりも難しい機能のセットを持つことから、それらのサービスを真似るのは難しい。ただし、音楽市場は大きいため、一般向けソーシャルネットワークも参入を考えていると思われる。MySpaceはすでに参入しており、立ち上げの日からその市場にいるが、Facebookはまだより広い音楽との関係を検討しているのかもしれない。これは特に、音楽が学生に対して持っている影響力からだ(学生はポップスの大量消費者だ)。同じように、映画や書籍の提供も、収益の観点から見れば意味がある。写真や動画は収益化が難しいが、一般向けソーシャルネットワークは、誰かがこの分野でトラブル無く収益を上げる方法を見つけ次第、動画共有の分野に入ってくるかもしれない。

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