ウェブアプリケーション乱立状態を勝ち進むためのマーケティング戦略 - (page 2)

文: Emre Sokullu 翻訳校正:吉井美有2007年04月10日 08時00分

 特定分野向けのサイトの場合、問題はむしろ競争にある。サイトをすぐに広く告知するよりも、他のサイトと差別化し、ユーザー基盤を徐々に築いていく方がよいかもしれない。

 それから、上に示した2つのカテゴリーのどちらか(あるいは両方)にあてはまるサイトのほとんどは、最初にユーザー登録を必要とする。しかし、ふつうは幽霊サイトに登録するのは気が進まないものだ。

 「WAIT」リストのサイトに最適のマーケティング手法は、特定市場に焦点を当て、費用を最小限にして時間をかけて多くの人を惹きつけることだ。Business 2.0 Magazineの2007年3月号に1つの例が載っている。Bettyという会社は「下の毛」の染料を売っているが、ラスベガスの美容関係のトレードショーのパンフレットに2000ドルを費やしただけで、十分な反応を作り出し、そこからJay Leno Show(アメリカNBCのトーク番組)で取り上げられた。なんとこの企業は2007年に100万ドルの売り上げを予想しているのだ。また、DogsterMaya's Momという成功例もある。どちらも特定分野向けのユーザー生成サイトで、ペット雑誌や母親向け雑誌からの初期のユーザー基盤を惹きつけた。

 少なくとも「WAIT」リストのサイトは、Web 2.0に精通しているオーディエンスの前に出て自分の力を示したりVCを見つけようとしたりする前に、自分の狙う市場を見つけそこでユーザー基盤を大きくするべきだ。

 冒頭で示したSpotplexは、待つべきだったサイトの非常によい例だ。

「WALK」リスト

 「WALK」リストには、最初からWeb 2.0ブログでプロモーションを始めるべきサイトを挙げている。「WALK」リストの候補のほとんどは、ウェブユーティリティだ。例えば、以下のようなものが挙げられる。

  • 検索エンジン(特定分野向けでない場合)
  • インスタントメッセージングマッシュアップ
  • ウェブトップ
  • ファイルホスティングサービス
  • 翻訳サービス
  • ブラウザのアドオン

 「WALK」リストの項目が「WAIT」リストの項目と違う理由は、これらのサイトの生き残りではユーザー数が主な要因にならない点にある。サイトの魅力は純粋にサービスの品質にかかっている。このため、プロモーションを始める前に必要なユーザー基盤のクリティカルマスは存在しない。

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