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第13回 ビジネスアイデアを磨き、ビジネスプランを描け!

2003/06/26 10:00
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第三者からの客観評価を得る

 起業アイデアは思い込みが多く、客観性を失いがちなものです。冷静な外部からのアドバイスや意見もどんどん収集しましょう。また、自分のビジネスの想定顧客となりうる知人に接触し、「こんな商品、こんなサービスをやったら買ってくれるか?」とヒアリングするのも大いに参考になります。勤めをやめる前の段階なら、有給休暇などを使って、友人知人を頼ってヒアリングを行い、アイデアをブラッシュアップしていくのです。

凡人の理解をこえたビジネスアイデア

 しかし、本当に革新的なビジネスモデルはしばしば凡人の理解を超えていて、常識的には「そんなの無理!」という声が圧倒的です。そこをめげずに突破して見事に大きなビジネスを作るのは、上級起業家といえましょう。本当にだめなアイデアなのか、それとも革新的なのか、見極めは簡単ではなく、第三者の意見が正しい保証はありません。革新的ビジョナリーなのか、エセ起業家なのか、紙一重というわけです。

 有名な話としては、Appleの創業者、Steve Jobsが個人むけパーソナルコンピュータなるものの試作品を作ったとき、Hewlett-PackardやXeroxの社内事業として提案したのですが、だれも取り合ってくれず、仕方なくSteve Wozniakという技術者と2人で、自宅のガレージの一角で会社をおこしたのです。お金の蓄えが全くなかったため、創業資金は中古のフォルクスワーゲンのビートルを売り払ったお金をあてたといいます。この手の「ガレージベンチャー逸話」とでもいうべき話はほかにもいろいろありますが、私は、こういう話には限りないロマンティシズムを感じます。

偶然の出会いの連続:チャネリング現象

 ビジネスアイデアをプランにまでブラッシュアップする過程では、さまざまな情報や人とのめぐりあいがあります。

 起業というのは、自分の頭の中に描いた「想念=ビジョン」の実現を目指した集中努力のプロセスです。執念を帯びた思考(想念)は、それ自身がエネルギーをもってさまざまに作用しはじめる、という説があります。有名なナポレオン・ヒルの「成功哲学」などの考え方です。作用しはじめると何がおこるか?それはチャネリング現象です。

 たとえば、自分が思い描いているビジネスアイデアにまさにぴったりの情報なり経営資源なりを持っている人が、不思議と目の前にあらわれたとか、ふと入った古本屋の片隅に、まさに自分の事業アイデアに必要な情報の詰まった本が見つかったとか。。。。やや「超常現象」とでもいえるような話ですが、実際、私自身それに類する経験は何度もしていて怖いくらいです。本当です。嘘ではありません。つい最近も大学のOB会にでて、ちょっと次の事業アイデアを話したら、まさにその業界の影のキーマンを知っている人がいて紹介してもらえることになりました。逆にいえば、チャネリング現象が起こるくらい徹底的に執念深く考えつづけ、その実現を強く願望しつづけるべし、ということではないでしょうか。

草野球レベルのビジネスプランではだめ

 はっきりいって、日本の起業家のレベルは、一般的に米国に比べて劣っています!(はっきりいいすぎか?) 日本の起業志望者の中には町のしろうと発明家のようなレベル、あるいはちょっとした思い付きレベルのビジネスアイデアしかない人もかなりいます。たとえば、「テレビに出てくるタレントの着ている服をすぐインターネットで販売する事業」などというような代物です。なんの差別性もなく、なんの強みのめどもなく、単なる思い付きレベルです。米国の起業レベルを大リーグレベルとするなら、残念ながら草野球レベルのビジネスプランしかない人も多いのです(しかし、最近は大学助教授や大手企業の技術者が独立して創業するなど、わが国でも新しいタイプの本格的ビジネスアイデアをひっさげた起業家が増えつつあるのはいい傾向だと思います)。

ビジネスプランの書き方を学べ

 そもそも、自分のビジネスアイデアをまともなビジネスプランにおとしこんで書くことすらできない人が多い。大前研一さんのビジネスプランコンテストも、最初のパワーポイント5枚程度のビジネスコンセプト提出の時代は、山のように応募がありました。しかし、「これでは応募が多すぎる」ということで、フルスケールのビジネスプランの提出をはじめから要求したら、応募は10分の1に減ったそうです。つまりフルスケールのビジネスプランをまともに書けない起業家志望者が多いということです。本格的な起業を目指すならVCから投資の引き出せるビジネスプランの様式などをきちんと勉強してください。その手の指導本も出ていますので、独学で十分習得可能です。

VCのめがねにかなう事業プラン

 他人のビジネスプランをみたり、ビジネスプランを書く訓練をしていると、次第にどういうビジネスが投資を受けるに値するものなのかが体感できるようになってきます。あるベンチャーキャピタリストは、いままでよりも倍以上高性能であるか、半額以下のコストを実現していること、あるいは5年で50億円以上の売上げを上げる可能性があること、というわかりやすい基準を持っています。そのくらいインパクトのある事業にしか投資しないとのこと。ベンチャーキャピタリストは、エグジット(資金回収)のプロです。一部のVCのホームページには投資先一覧がでていますので、最近どんな企業が投資を受けているのかをウォッチするのも参考になります。

(以下つづく)

「起業家というキャリア」は毎週木曜日の更新予定です。


筆者プロフィール
西川 潔
ネットエイジ 代表取締役社長
KDD、米国コンサルティング会社、AOLジャパン などを経て、98年2月、ネットエイジを草の根的に創業。 インターネットビジネスの企画・開発・運用を通じ、ビジネス インキュベーションおよび、投資業務を手がける。現在までに12のビジネスをおこし、M&Aで4社を売却。また、99年に 日本中を席巻したビットバレー構想の発案者でもあり、常に起業家主導経済の重要性を説く。東京大学教養学部卒

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