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第10回 メガベンチャーを目指せ!

2003/06/05 10:00
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とにかく独立か、それとも成長志向か?

 自分の人生を自分で舵取りしたいというと、いわゆる独立開業全般にあてはまります。SOHOのように小規模な自営業として自立するのも独立ですし、フランチャイズ会社に加盟してフランチャイジーとして、自分の店をもつのも独立です。しかし起業家は、自営業やフランチャイジーとは、(たんなる私的定義の問題になりますが)わたしはあえて区別しています。

 ここでいう起業とは、成長を志向して大きな資金を集め会社をつくってその成長を目指し、当然ながら株式公開も視野にいれる拡大志向スタイルです。それにに対し、自営業は自分と家族、あるいは気の合う仲間が楽しく食えることを第一の目標にし、最小限の組織を維持しようとする、非拡大志向のスタイルです。株式も自分と身内だけで100%所有し、外部資本を求めません。このような志向を「ライフスタイルベンチャー」ということもあります。たとえば、大手広告代理店から独立してプランニング事務所などを開く例などがそれにあたります。

 フランチャイズビジネスのフランチャイジーとして独立する例は、人がお膳立てを作った形での起業ですから、自営業に近いといえるでしょう(ただ、例外的にメガフランチャイジーとして上場まではたした(株)タスコシステムなどの例もありますが)。

 もちろん、SOHOもフランチャイジーも素晴らしいことです。さまざまなきめこまかい生活産業などでそのチャンスは無限にあり、街の起業家として、政府も積極的に応援する姿勢をみせています。

 人それぞれの器もありますので、どちらがよりいいということは一般にはいえません。 ただ、ここで主に扱うのは、後者、つまり成長志向の会社の創業です。

メガベンチャーとは?

 Microsoft、Dell Computer、Amazon.com、Yahoo並みのベンチャーを「メガベンチャー」といいます。具体的には、世の中全般に大きなインパクトをもたらしながら10年で500億〜1000億円規模に育っていく可能性のあるベンチャーです。実際、大きな市場の拡大に歩調をあわせるような事業を手がけ、資金調達にたけ、M&Aの手法などを駆使すれば、それは決して夢物語ではないのです。いや、むしろそれは金融手法の発展とともに、10年、20年前より今のほうが可能性が高まっているともいえましょう。

 「メガベンチャー?そんなの無理!」と思った瞬間、それはまさにあなたには不可能になります。しかし逆に、何事にも限界を設けずに、段階的にことにあたれば、上のようなメガベンチャーの創造も決して不可能ではないのです。

事業継承後に「第二の創業」というスタイル

 また、親の事業を受け継いだあと、その事業や会社を大きく転換させ、第二の創業的な発展をとげる会社もあります。たとえば、ユニクロのファーストリテイリング社、また娘婿ですが、松井証券などがその代表であり、これらはもちろんメガベンチャー的起業家といえるでしょう。最近は後継者難の時代であり、特に血のつながりがなくとも、このようなポジションをつかむことも不可能ではありません。

どうせやるなら大それたことを

 一流クラスのビジネスマン、経営もわかる上級エンジニアにとっては、SOHOやライフスタイルベンチャー(少人数で楽しく快適に食えればいいという方針)ではもったいない。ぜひ、大きなビジョンを描いて、売上100億、500億、1000億円が狙えるベンチャーを志したいものです。

 具体的にいえば、数億円規模の投資を受けてビジネスを立ち上げ、5年以内に売上が30億円〜50億円になるまでに成長させ、IPOする。その後、さらにファイナンスしながら、100億円企業、1000億円企業にまで成長させる。いわゆる「メガベンチャー」志向です。

ベンチャーキャピタルを味方につける

 この規模になりますと、当然、自分のまわりのお金では到底足りませんから、ベンチャーキャピタルとの付き合い方を覚え、彼らから資金調達する必要があります。メガベンチャーの背後には必ずベンチャーキャピタルがあるのです。 私も職業柄ベンチャーキャピタルとのお付き合いが多いですが、日本のベンチャーキャピタルは性格もさまざまで、お付き合いの流儀もそれぞれです。が、共通しているのは、彼らは本格的な起業家候補の出現を待ち望んでいるということです。

 結局倒産してしまいましたが、WebVanという会社をつくった、もとAndersen Consulting(現:Accenture)のCEOのGeorge T. Shaheenという人は、未公開時代に1000億円を調達し、巨大な倉庫と自社物流網をつくって、オンラインの宅配スーパーというビジョンに賭けました。本人もコンサルティング業界の超大物ですが、かけたお金もハンパではありません。

 しかし、考えてみれば、映画1本作るのにも数億円、数十億円、場合によっては、100億円がかけられています。偉大な会社を作るには、元手が10億円くらいかかっても安すぎるくらいではないですか。  あなたはたとえば5億円の元手があったとして、それをきちんと使いこなして、5年で50億円の会社に仕上げることができるでしょうか?自分に自負があり、いやしくも、社会に名をなそうという本格的な起業家を志すなら、そのくらいのスケール感は常にもつべきです。

(以下つづく)

「起業家というキャリア」は毎週木曜日の更新予定です。


筆者プロフィール
西川 潔
ネットエイジ 代表取締役社長
KDD、米国コンサルティング会社、AOLジャパン などを経て、98年2月、ネットエイジを草の根的に創業。 インターネットビジネスの企画・開発・運用を通じ、ビジネス インキュベーションおよび、投資業務を手がける。現在までに12のビジネスをおこし、M&Aで4社を売却。また、99年に 日本中を席巻したビットバレー構想の発案者でもあり、常に起業家主導経済の重要性を説く。東京大学教養学部卒

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