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「クロスプラットフォーム」と「女性」がカギとなるオンラインゲーム--NILSレポート2
New Industry Leaders Summit 2005 Summerセッションレポートの第二弾は、オンラインゲームに焦点をあてた「オンライン・エンターテインメント市場の未来展望」を紹介する。
いったんは成熟市場となったゲーム業界が、ブロードバンドの普及によって、再び変容しつつあると言う。このセッションでは、豊富なコンテンツのひとつとしてオンラインゲームを積極的に提供しているエキサイト エンタテインメント事業部事業部長の坂本孝治氏、オンラインゲームをはじめとするデジタルコンテンツのプロデュース、コンサルティングを行うキューエンタテインメント代表取締役CEOの内海州人氏、韓国の大手PCゲームメーカー・ネクソンジャパン取締役のチェ・スンウー氏が、日本と世界のオンラインゲーム市場の現状と将来について、それぞれの立場から語り合った。
日本におけるゲーム市場の中心は、プレイステーションなどに代表されるコンソールである。しかしここ数年、「ゲーム離れ」という言葉が聞かれるようになるなど、一時の隆盛はない。これは携帯ゲームなど、エンターテインメントの種類が豊富になったことが一因だと言われる。
そんな中で注目を集めているのが、オンラインゲームだ。90年代のアメリカで、そしてその後韓国で大爆発的な成長を遂げ、今や一大産業となっている。現在は中国でも人気に火がつきつつある。
一方、日本でも市場は拡大しつつあり、2004年のオンラインゲームにおけるパッケージソフト販売の売上規模は211億円、運営サービスの売上規模は367億円。パブリッシャーが68社、ゲームが187タイトルと、市場規模から見るとかなり多くの企業が参加している状況だ(いずれも経済産業省関東経済産業局が推進する任意団体「首都圏情報ベンチャーフォーラム「オンラインゲーム研究会」調べ)。
キューエンタテインメントの内海氏は、現在のゲーム市場に大きく2つの変化があると語る。ひとつは「デジタルコンバージェンス」。PC、携帯電話、コンソールなどのデジタルコンテンツが、ひとつに融合しつつあると言う。同社はこれら総合的にプロデュースする企業を標榜している。
![]() キューエンタテインメント代表取締役CEOの内海州人氏 |
もうひとつの変化はゲーム市場の大陸での動きだと言う。世界市場を見た時、欧米のゲームコンテンツ市場では、10億円規模の開発が当たり前になり、ハイリスクハイリターンの投資が行われているという。一方、韓国・中国・台湾ではオンラインゲーム市場が急速に拡大し、オンラインコンテンツ開発では世界を牽引する立場にもある。
このような動きの中で、日本は世界とは異なる独自の進化を遂げている。日本の主流はコンソール。そのコンソール向けゲームのオンライン化は、PC向けゲームがほぼ100%なのに対し、いまだ10%ほどだ。こういった状況を鑑みると、日本におけるオンラインゲーム市場では、内海氏は「コンソールでは将来性はあまりない」と考える。
日本の場合、ユーザーがまだまだMMORPG(多人数が同時に参加できるオンラインロールプレイングゲーム)に慣れていない、という背景もある。そこで内海氏は「カジュアルなPCのオンラインゲームが発展する」と見ているという。
市場を左右するインフラとしてのブロードバンド
オンラインゲームの世界市場の違いには、インフラとしてのブロードバンドの普及が深く関係している。10年以上、オンラインゲームを提供してきているネクソンのチェ氏は、「世界全体では、ブロードバンドの普及が予想よりもずいぶん遅れている」と言う。5年前の予測では2005年までに欧米で60〜70%まで普及すると考えられていたが、蓋を開けてみればアメリカでは30%、ヨーロッパにいたっては20%以下という状況だ。逆にアジアは予想以上に早くブロードバンドが普及しつつあり、オンラインゲーム市場が拡大した大きな要因のひとつとなっている。
![]() ネクソンコーポレーション海外事業本部長兼ネクソンジャパン取締役のチェ・スンウー氏 |
ブロードバンドの普及で誰もが手軽にオンラインゲームに参加できる環境が整った韓国などでは、従来のゲーマーに加え、新しいライトユーザーがごく普通にゲームに興じるようになっており、課金ビジネスで大きな収益を上げている。
今後のオンラインゲーム市場について、チェ氏は、「PCだけでなく、コンソール、モバイルなどの各プラットフォームのオンライン化が進み、それらを活用したクロスプラットフォームのコンテンツの出現が、今後を左右する」と言う。現在はまだ現れていない新しいコンテンツの登場が待たれるところだ。
![]() エキサイト エンタテインメント事業部事業部長の坂本孝治氏 |
今回のスピーカーの一人、坂本氏の所属するエキサイトは、コンテンツビジネスのひとつとしてオンラインゲームに参入している。オンラインゲーム市場に参入した理由を坂本氏は、「PC上の課金ビジネスに大きな可能性を感じたから」と言う。従来のゲーム等のエンターテインメントではPC、携帯電話ともに、月額300円から500円の料金がほとんど。しかし質の高いオンラインゲームなら、月額1500〜2000円の課金も可能だ。
オンラインゲームビジネスを考えた場合、3つの方法がると坂本氏は言う。ひとつは決済代行だけを請け負うというもの。二つ目はオンラインゲームの自社配信。三つ目は固定料金をとらないライトユーザー向けのカジュアルゲームビジネスである。エキサイトはこの3種類を平行して走らせており、従来のゲームビジネスとは異なる構造で、市場にチャレンジしていることがうかがえる。
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