コムシスHD、ボックス圏脱し上昇相場へ

 コムシスホールディングスの株価が、2007年11月から約5カ月間続いた800〜950円のボックス相場から上放れる兆しをみせてきた。同社は2008年3月期の連結決算について、売上高3200億円(前期比4.9%減)、営業利益150億円(同21.9%減)、経常利益170億円(同19.5%減)、純利益105億円(同15.2%減)としている。

 下期については、NTT関連工事は回復し、NTTドコモ関連工事は下期に集中するものの、当初予想を上回ることは難しくなっていると判断。NCC(第一種電気通信事業者のうち、1985 年の自由化以降新規に参入した事業者)関連事業は、下期も好調さを持続するものの、公共投資の減少と競争激化による社会基盤の減少(売上高:期初計画比65億円マイナス、対前年同期比21億円マイナス)により、通期の当初計画を回復させるまでには至らないとしている。

 前期の2007年3月期は、ナンバーポータビリティー対応のドコモ関連工事が急増したことにより、前期中間期(期初計画比売上高93億円増)および前期通期(対計画比売上115億円増)ともに計画を大幅修正するなど、特別な年で大幅な上方修正となった。このため、特別な年となった前期の2007年3月期を除けば、同社の業績は、ホールディングス設立の2003年以来毎年着実な成長をみせていることになる。

 一方、生産性の向上については、親会社間の役割分担の見直しによるサプライチェーンの高度化など、事業の抜本的構造改革に一段と積極的に取り組む姿勢をみせている。

 また、ホールディングスは、マーケットの変化に柔軟に対応できる特徴をもっており、その特徴を生かして経営資源の最適配置を行い、グループトータルのシナジー効果を一層発揮するとしている。

 同社の2008年3月期の業績は、ほぼ会社側の計画線で終了したもようだ。さらに、来期の2009年3月期以降もNTTが進めているNGN(次世代ネットワーク)の構築に伴う通信工事が順調に進捗するものと見込まれている。

 また、今後は現在宅内に設置されるONU(光ファイバー加入者通信網において、パソコンなどの端末機器をネットワークに接続するための装置)がNGNに対応していないため、これに伴う取り換え工事が発生することや、マンション用の「フレッツ光」でも、宅内まで光ファイバーを引かないとNGNに対応できないため、それに関する工事も発生する見通しだ。

 同社の株価は2007年7月に、1506円の昨年来をつけ以降下落に転じ、その後いったん戻して同10月には1318円までつけたものの、全体相場の低調につられて再び反落基調に転じ、2007年11月から約5カ間月続いた950〜800円までのボックス相場に止まってきた。

 しかし、先週末の終値883円で試算した連結PERは12倍台と依然として割安水準にあるうえ、3月21日申し込み現在の東証信用倍率も株数は少ない(売り残44.2万、買い残16.9万株)ものの、0.38倍と大幅な売り長となっていることから、中期的には1000円台を回復してくることも十分期待ができそうだ。

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