CTCと住商情報が相次いで業績を上方修正

 2007年3月期の9月中間決算の発表が本格的に始まる目前にきて、企業向けの情報ソフト関連企業が相次いで業績を上方修正し、株価が急騰している。“いざなぎ超え”が確実となった戦後最長の好景気持続のけん引役を果たしている“設備投資”の中でも、IT・ネット関連の設備投資が継続的に拡大していることを裏付けた。

 CTC(伊藤忠テクノソリューション=旧伊藤忠テクノサイエンス)は10月16日、9月中間期の連結業績を上方修正した。従来予想の連結経常利益72億円が106億円(前年同期比49%増)となる大幅な上方修正だ。

 放送・情報通信、金融業、製造業向けのシステム販売・開発が好調だったのに加え、ハードウェアの保守サービスも期初予想を上回った。銀行・証券向けのシステム開発投資意欲が旺盛で高水準を維持、通信キャリア向けではNGN(IPベースで構築される次世代ネットワーク)の本格展開に備えた投資が拡大する見通しだ。さらに、不採算案件が減少したことや、販売管理費の抑制も経常利益を上方修正する支援要因となった。

 CTCの株価は上方修正を発表した翌日の10月17日には、終値で前日比580円高の6740円と急騰し、10月18日も買い先行で一時7000円まで買い進まれ、終値も230円高の6970円となった。株価は6000〜6200円のボック圏での値動きから一気に7000円レベルまで急騰したことから、短期的には微調整横ばいの推移が予想される。しかし、今回は据え置かれた今3月期通期の業績見通しについても上方修正される可能性が高いことから、株価は今後も緩やかながら上昇トレンドをたどることになりそうだ。

 この一方で、住商情報システムも10月19日、2007年3月期の9月中間期の連結経常利益について、従来予想の4億円が前年同期比24%増の27億円になったと大幅な上方修正を明らかにした。利益が大幅な増額となったのは、金融機関向けのソフトウェア開発の増加に加え、通信業界向けのハードウェア販売の増加が貢献からだ。さらに、プロジェクト管理の徹底により不採算案件の大幅な抑制や、2005年8月に住商エレクトロニクスと合併した効果もフルに寄与した。

 住商情報も、CTCと同様に今3月期通期の連結経常利益予想を71億円のまま据え置いたが、上期の大幅な上方修正から考えて、通期の経常利益の上方修正が濃厚と判断できそうだ。上方修正した翌日10月20日の住商情報の株価は、一時前日比185円高の2830円まで買い進まれ、2006年1月16日の年初来高値2630円を9カ月ぶりに更新。終値は同145円高の2790円と4日急騰となった。

 外国証券のアナリストは「株式市場でいう広い意味での“ハイテク関連株”のリード役は、これまで信越化学工業、SUMCO、エルピーダメモリなどといった半導体関連だったが、そこに情報ソフト関連銘柄が加わった感じだ。今後は総合電機や電子部品会社が9月中間決算の発表で通期の業績予想を含めてどれだけ好結果を残せるかに注目が集まっている」としている。

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