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株価にも表れている松下電器の底力

2004/11/26 10:00
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 外国為替市場で4年8カ月ぶりの1ドル102円台という急速な円高・ドル安が進行するなかで、今後の採算の悪化を懸念して電機、自動車、精密機器といった主力輸出企業の株価が軒並み下落している。そのなかで際立った抵抗力をみせ、下値切り上げパターンの株価トレンドを堅持しているのが松下電器産業だ。この株価の頑強さにも表れている松下の底力の背景を探った。

 株価で見ると、NECが年初来安値を更新し続け、ソニーが上値切り下げトレンドから脱しきれないなかで、松下は8月16日に年初来安値1372円をつけて以降、典型的な下値切り上げパターンの上昇トレンドを継続している。その背景にあるのが各事業分野でのバランスのとれた収益の拡大ぶりだ。デジタル家電関連市場での競争が一段と激しさを増すなか、利益水準が低下している企業も多いのが実情。そうしたなかで、松下は大幅な利益成長の実績をあげ続けている。

 この背景には、同社が他社より一歩早くデジタル家電製品を投入し、しかも新製品の世界同時立ち上げと幅広い品揃えを実現することで、シェア拡大と数量効果による売上・利益増を確保したことがある。9月中間期の連結営業利益は、前年同期比96%増の1563億円と、従来予想を360億円上回る大幅増益を達成した。さらに、純利益も同2.4倍の562億円と急拡大した。

 今3月期通期業績については「円高の進行、原材料価格の高騰懸念など先行きに不透明要因が多い」(会社側)として、連結税引き前利益2300億円(前期比35%増)、純利益630億円(同49%増)を据え置いたが、実際には会社側も増額含みを認めており、第3四半期決算の段階で増額修正に進む公算が大きい。

 セグメント別に下期入り以降の最近の動向をみると、主力のAVCネットワーク事業ではテレビ部門で液晶、PDPともに前年同期比でほぼ2倍の売上の勢いを保っている。特にPDPについては、茨木第2工場での生産計画を従来に比べて半年近く前倒しして増産し、需要の増加に対応する可能性が高い。さらに、デジタルカメラでは、光学式手ブレ補正技術の採用によるLUMIXシリーズ新モデル「FX7」の投入などにより、好調な販売実績をあげている。さらにカーエレクトロニクス部門では、ナビゲーションシステムのStradaシリーズを中心に、順調にシェアを拡大している。

 いわゆる白物家電を中心として、一般には成熟市場とされているアプライアンス事業だが、9月中間期の連結営業利益率は5.7%と他社に比べて高水準を達成している。本格普及期を迎えて新規参入企業が増加している食器洗い乾燥機でも依然として50%のシェアを確保し、IHクッキングヒーターや、生ゴミ処理機、斜めドラム洗濯機とった新製品でも強みを発揮している。デバイス事業では、既存のCCDイメージセンサーに加え、CCDの高画質とCMOSセンサーの低消費電力を両立したイメージセンサーのニューマイコビコンの量産もスタートさせている。

 下期の業績については、すでに円相場が1ドル102円の円高水準となるなど不確定要因はあるものの、会社側予想の今3月期の連結営業利益2800億円(前期比48%増)はかなり保守的とみられ、上方修正の可能性が残されている。また、通期の年間配当についても期初計画の年間12.5円から2.5円増配して15円配当を実施する予定だ。

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