日本ユニシス大幅増益、株価本格上昇はこれから

 日本ユニシスの株価が、10月下旬から急速に反転上昇基調を強めている。株価上昇の背景には、同社の業績が事前の予想を大幅に上回る回復ぶりをみせていることが背景にある。先週になって、1000円を前にしてやや株価が足踏み状態になっているものの、業績の回復を反映しての株価の本格上昇はこれからとなりそうだ。

 日本ユニシスは、11月1日に2005年3月期の9月中間期の連結決算を発表した。それによると、売上高1389億700万円(前年同期比1.6%増)、営業利益36億6700万円(同3.2倍)、経常利益37億7800万円(同79%増)、純利益10億900万円(同51.8%増)と、期初の会社側予想を大きく上回った。

 事業ごとの状況は、サービス部門がシステムサービスの低価格化や案件の小口化のために伸び悩んだのに対して、ソフトウェアの売上高は大口案件の計上およびオープン系ソリューションの増加などで伸びた。またハードウェアの売上高も、賃貸収入の減少傾向が続いているものの、販売ネットワークを機軸としたサーバやストレージ機器分野で伸びをみせている。

 同社の業績は、前2004年3月期の連結経常利益が前々期比51%減の43億9300万円となったのを底に、今期から利益は急速に回復基調に向かっている。前期に減益となった理由は、不採算案件発生のためで、純利益の減益は厚生年金の代行返上に伴う特別利益の計上がなくなったためだった。今回の9月中間期の好調な決算を受け、今3月期通期の連結経常利益について、同社では売上高3160億円(前期比2.1%増)、経常利益102億円(同2.3倍)、純利益45億円(同14.7%増)と大幅増益を見込んでいる。

 日本ユニシスの今後の展開について、準大手証券のアナリストは「IT投資の復調に伴い、アウトソーシングの回復が業績の向上をリードしている。金融機関向けを中心にソフトウェア事業も回復し、地銀、信用金庫向けのアウトソーシング、情報システム構築なども伸びている。会社側では、下期の市場環境が不透明であることを理由に、通期の業績見通しをかなり控え目としていることから、通期ベースでも再上方修正の可能性が非常に高い」としている。

 株価は、4月26日に年初来高値1078円をつけたあと、5月17日安値777円までの調整を挟んで断続的に下値が切り上がる動きとなっている。10月22日に、9月中間期の業績見通しについての上方修正が発表されたことをきっかけに、翌営業日の25日には終値で前営業日比42円高の878円と急伸した。その後も、正式に9月中間決算が発表された11月1日を経過してさらに株価は上昇を続け、11月4日には945円(終値)の高値をつけている。その後は1000円台乗せを前にしてやや足踏み状態となっており、先週末12日の終値は923円となっている。920円台は予想PER 22倍(1株利益41円)だが、今後も利益上乗せ余地が十分あり、株価上昇の可能性が残されている。当面の株価第1目標は年初来高値の1078円となり、中期的な目標は1300円台(2001年高値)に置くことができそうだ。

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